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2008年09月02日(火) 13時25分

“グーグル・ブラウザ”がついに登場——9月2日にリリースされる「Google Chrome」Computerworld.jp

 ついに米国Googleが自前のWebブラウザを投入する。同社は9月1日、独自に開発したオープンソースのWebブラウザ「Google Chrome」をまもなくリリースすることを明らかにした。同社の公式ブログによると、米国時間の9月2日に、世界100カ国以上でWindows上で動作するベータ版のダウンロードを開始する予定だ。

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 9月1日、Google関連情報を発信するブログ「Google Blogoscoped」で、Googleから電子メールで送られてきたというコミック・ブック形式のGoogle Chrome紹介漫画が掲載されたとたん、このニュースは瞬く間にネット上に広まっていった。Googleはネットでの騒ぎを受け、同日の午後に製品管理担当バイスプレジデントのスンダール・ピチャイ(Sundar Pichai)氏、エンジニアリング・ディレクターのライナス・アプソン(Linus Upson)氏の連名で、同社の公式ブログに「すでにブロゴスフィア(ブログ界)では知れわたっているかもしれないが、新しいブラウザであるGoogle Chromeを紹介するコミック・ブックを、誤って予定より少し早く送信してしまった」と事情を明かした。

 なお、Googleはその後、米国の漫画家スコット・マクラウド(Scott McCloud)氏の手によるコミック・ブックへのリンクを公式ブログに追加し、一般公開している。38ページにもわたるこのコミック・ブックはPDF形式で、ダウンロードすることが可能だ。

 オープンソース・プロジェクトであるGoogle Chromeは、米国AppleのオープンソースHTMLレンダリング・エンジン「WebKit」と、米国MozillaのWebブラウザ「Firefox」のコンポーネントを利用している。

 ピチャイ、アプソンの両氏は公式ブログで文章による新ブラウザの概要を解説し、Google Chromeの合理的でシンプルなユーザー・インタフェースや安定性、処理速度などを強調した。「ほとんどの人にとって重要なのは、使用するブラウザの種類ではなく、特定のページやサイト、アプリケーションなど、Webを構成するコンテンツである。ブラウザはそれらを表示するための道具でしかない。Chromeは、当社のGoogleホームページ・サービスと同様、シンプルさと高速性が特徴で、ユーザーの邪魔にならず、目的地にすばやく到達できる」(同社公式ブログより)

 Googleによると、Google Chromeでは、Webアプリケーションの実行処理が既存のブラウザよりもすぐれているという。ピチャイ氏、アプソン氏は、「サンドボックス環境により、複数のタブが独立して動作するため、1つのタブのクラッシュが他のタブに影響することを防いでいる。それと同時に、不正なサイトからの保護機能も強化した。高速で反応のよいChromeは、強力なJavaScriptエンジンであるV8を搭載し、既存のブラウザでは処理できない次世代のWebアプリケーションにも対応できる」と説明している。

 Googleは9月2日に、公式ブログでGoogle Chromeについての詳細情報およびリリース情報を掲載する予定だ。なお、今回のリリースはWindows版のみだが、Mac OS X版およびLinux版も開発中だという。

(Nancy Weil/IDG News Serviceボストン支局)

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