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2008年09月01日(月) 18時30分

「タイ旅行で危険なのは、同じ日本人」 外務省、ホームページで注意を喚起MONEYzine

 先月5日から、行方不明となっていたタイ・バンコク在住の棚橋貴秀さん(33)=岐阜県山県市出身=が、同月9日にタイ国内で遺体で見つかった事件で、日本人旅行者を中心に不安が広がっている。というのもタイ警察が殺人容疑で逮捕状を取ったのが、同じ日本人の二人組みだったからだ。

 棚橋さんは一部の間では有名なブロガーで、「安田誠」のペンネームでインターネットで為替や株の取引をしながら、日本よりも物価の安いタイに長期滞在するライフスタイルを紹介した『外こもりのススメ』という本を7月に出版したばかりだった。

 外こもりとは、おもに短期派遣やアルバイトなどで日本で集中的に稼ぎ、物価の安い外国で長期滞在を繰り返す生活を指し、タイ警察が逮捕状を取った日本人2人のうち、大阪府出身の男(30)は、棚橋さんの隣のマンションにいた外こもり仲間だった。

 今回の事件は、タイに住む日本人が、同じ日本人によって事件に巻き込まれた可能性があることで強い関心を集めているが、実際にはタイのバンコクなど日本人旅行者や生活者が多い都市では、日本人が日本人を狙う事件が後を絶たない。昨年には、タイのカオサン通りで知りあった日本人旅行者に睡眠薬の入った飲み物を飲ませ金品を強奪していた日本人が逮捕されており、また過去には2002年7月から8月にかけ、バンコクを訪れた日本人観光客2人に睡眠薬入りのコーヒーを飲ませ、現金などを奪った事件で大阪市出身の男性が逮捕され、懲役12年の判決を言い渡されている。

 同国には、タイ人と日本人から成る詐欺グループも存在するといわれており、旅行の際には同じ日本人に対しても注意が必要だ。棚橋さんが巻き込まれた事件を受けて、タイ旅行やタイ生活者向けの情報収集サイトの掲示板でも、「日本人を狙うのは日本人」「親しく話しかけてくる日本人には注意」などのコメントが多く寄せられている。また外務省でも今年に入ってホームページで、「バンコクを始めとするタイの都市には多数の日本人が在留しているが、日本人社会の成長を受け、日本人が犯行に関与していると思われる、または来訪する日本人を標的にした詐欺事件や偽札事件等が増加している」と、旅行者に注意を喚起している。

 異国で同郷の日本人に会うとつい気持ちが緩んでしまうものだが、犯罪に巻き込まれないように気をつける必要がある。

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