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2008年09月01日(月) 12時00分

外資系企業も参入する葬祭ビジネス最新事情R25

若い世代の減少というのが少子高齢化の流れだが、もう一方死亡者数の増加というものがある。06年の死亡者数は年間100万人を超え、40年前の2倍にまでなった。そんななか、不足が指摘されているのが火葬場だ。亡くなってから火葬まで数日待たされることもあるという。そこで日本財団が船に葬祭場と火葬機能を搭載するという画期的なアイデアを提案した。その名も“火葬船”構想。

「年間の死亡者数は、団塊世代が平均寿命を迎える30年後にピークを迎え、火葬場の需要は現在の1.5倍になるといわれます。でも火葬場を増やせば死亡者数がピークを過ぎると稼働率が下がり施設がムダになる可能性がある。その点、船だと解体やリサイクルも比較的簡単にできます。また葬祭場と火葬場を共に1隻の船に載せることで死亡から火葬までの時間を短くすることも可能なんです」(日本財団広報・森さん)

従来のように街なかで火葬場を建設しようとしても、住民の多くに死者に対する畏怖や縁起が悪いという感情が根付いているのでトラブルになりやすいという。その点火葬船だと住宅地から離れた場所まで行けるので大丈夫。船上結婚式というのはよく聞くが、船でお葬式という発想は斬新だ。

さらに最近では、葬儀ビジネスに参入する外資系の企業もある。東京銀座に本社を置く「オールネイションズ・ソサエティ」は料金体系が不透明になりがちな日本の葬儀業に疑問をもち、分かりやすいシステムを導入したことで業績を伸ばしている。

「通常は亡くなってからお葬式までの慌ただしいなかで遺族が契約をするので、どうしても葬儀社のペースになってしまう。だから価格交渉もきちんとできない場合が多い。当社の特徴は生前予約を徹底すること。生きているうちに契約を結ぶので、落ち着いて交渉ができ、遺族に迷惑をかけることもないのです」(社長キャム・ジョン氏)

平穏な老後という言葉の中には平穏な死という思いも含まれているはず。これは誰一人避けて通れない問題なのだ。
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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