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2008年09月01日(月) 14時29分

防災の日「東南海」を初想定 宮城5000人参加河北新報

 「防災の日」の1日、政府は東南海・南海地震を想定し、首相官邸や大阪府岸和田市などを会場に総合防災訓練を実施した。同地震をメーンテーマとする総合防災訓練は初めて。岩手・宮城内陸地震や東海の記録的豪雨、中国の四川大地震など、今年も内外で大きな災害が相次ぐ中での訓練で、30都道府県で59万人が参加。

 午前6時半ごろ、和歌山県南方沖でマグニチュード(M)8.6、最大震度7の地震があり、大規模な津波も起きたと想定した。

 各省庁の局長クラスが首相官邸に集まり、臨時閣議の後、今回が首相として初参加となる福田康夫首相が防災服で記者会見。「冷静に対応し、緊急を要する人命救助と消火活動に協力してほしい」と呼び掛けた。

 その後の緊急災害対策本部会議で、福田首相は大阪府の橋下徹知事とのテレビ会議で、被災状況などを確認した。

 メーン会場の岸和田市の訓練では自衛隊、警察、消防、海上保安庁などによる列車脱線事故や建物倒壊現場での救出作業や、津波で海上に流された人や座礁したフェリー乗客の救助などを実施。関西空港では航空機を使った負傷者の広域医療搬送が盛り込まれた。福田首相は午後、訓練会場を視察。

 宮城県では美里町南郷グラウンドを主会場に総合防災訓練(県、美里町主催)が行われ、約5000人が参加した。

 訓練は午前9時に宮城県沖を震源とするマグニチュード(M)8.0、美里町で震度6強を観測する地震が発生、大きな被害が出たとの想定。地域住民や小中学生による初期消火や災害救助犬を使ったけが人の捜索、農業用トラクターを活用した道路復旧作業などの訓練が行われた。6月の岩手・宮城内陸地震の記憶も新しく、参加者は真剣な面持ちで訓練を行っていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080901-00000012-khk-l04