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2008年08月31日(日) 22時10分

アフガン拉致殺害 伊藤さん通夜 同級生ら死悼む毎日新聞

 アフガニスタンで拉致、殺害された非政府組織(NGO)「ペシャワール会」(福岡市)スタッフの伊藤和也さん(31)の通夜が31日夜、静岡県掛川市の実家近くの葬儀場で営まれた。同会メンバーや伊藤さんの同級生らが多数訪れ、志半ばでの死を悼んだ。

 通夜は午後6時から始まった。参列者によると、父正之さん(60)は気丈な様子で参列者に応対していたが、母順子さん(55)は憔悴(しょうすい)しきった様子だった。

 祭壇には、アフガニスタンで撮影された伊藤さんのにこやかな表情の遺影が飾られ、大好きだったという坂本九さんの曲「見上げてごらん夜の星を」が流された。会場への通路には、現地での活動の様子や子供のころの写真、アフガニスタンの民族楽器や衣装などが置かれた。

 高校の同級生の会社員、沢野孝さん(31)は「同級生の誇り。でも、生きていてほしかった」と唇をかみしめた。小中学校で同級生だった会社員、石野洋史さん(31)は「アフガニスタンにいたと聞き、人のために働いていたんだ、あいつらしいと思った」としのんだ。

 ペシャワール会のメンバーら30人も出席した。中村哲・同会現地代表(61)は「伊藤君は現地の宿舎でも2番目に(滞在が)長い先輩。彼のために、今まで現地で働いたワーカーの多くが集まった。悲しい中にもいちるのうれしさを感じた」と話した。

 山本一太・外務副大臣は「こんな結果になって残念。ご両親は大事な息子さんを亡くされ、想像ができない苦しみと思います」と話した。

 告別式は1日午前11時から同所で営まれる。【松久英子】

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