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2008年08月29日(金) 08時01分

【Re:社会部】過去の積み重ね産経新聞

 仕事柄、何十年も前の新聞記事を参照することがあります。意外な発見に驚くことも少なくありません。例えば、皇太子夫妻時代の天皇、皇后両陛下が、皇太子さま(浩宮さま)や常陸宮さま(義宮さま)と、軽井沢で静養されている様子を伝える昭和36年8月の記事です。

 平成の宮内庁担当記者の目がくぎ付けになったのは、当時1歳の皇太子さまが「カメラマンたちに近寄られて“カメラをちょうだい”という素振りをされた」という描写。皇太子さまは視察先の風景などを撮影されることが多く、「カメラ好きはもしかしたらマスコミの影響かも」と、思わずひざをたたいてしまいました。

 また、記事は「浩宮さまもすっかりなついて『おじちゃまは』とおききすると、すぐに義宮さまをさされるほど」とも報じています。知られざるお二人のきずなを垣間見ることができ、参考になりました。

 人間の一生は「過去の積み重ね」とよく聞きます。錯覚かもしれませんが、所々すり切れ、黄ばんだ短い記事に目を通しただけで、皇族方の実像に少し近づけたような気になりました。

 深みのある記事を書くには、取材対象の過去にも目を向け、地道に情報を蓄積させる必要があると感じました。パズルのピースを一つ一つ組み合わせ、絵柄を浮かび上がらせるように。(内)

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080829-00000090-san-soci