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2008年08月29日(金) 19時05分

携帯販売、そろそろ“枯れ”期へ──値下げで浮上する旧機種もちらほら+D Mobile

 8月も後半に入り、夏の購買需要は一段落。ランキングの変動もかなり少なくなってきた。この先、9月の敬老の日向け小商戦を挟んで、2008年の秋冬商戦向けモデルの登場まで変動が少なくなる、いわゆる“枯れ”期に入るが、値下げにより急浮上する旧端末もいくつかあるようだ。

【表:携帯販売ランキング(8月18日〜8月24日)】 【他の画像】

●今回は1位から9位まで変動なし──唯一、新機種「N706ie」が初登場

 ドコモの2008年夏モデル全19機種は、残すところ9月1日発売の「SH706iw」1機種の発売を待つのみとなった。大きな順位の変動はなくなり、ランキングは安定期に入った。

 首位はパナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P906i」。連続首位記録を「13」にまで伸ばした。

 続いて2位にNEC製の「N906iμ」、3位にシャープ製の「SH906i」、4位にNEC製の「N706i」、5位にパナソニック モバイル製の「P706iμ」が入った。

 今回の結果は、1位から9位まで前回と同じ。キャリア総合ランキングではドコモ端末が計5機種ランクインするが、こちらも大きな変動は見られない。

 この状況下で順位を大きく上げ、初ランクインを果たしたのがNEC製の「N706ie」。登場2週目でTOP10入りを果たし、人気端末に成長しそうな片鱗を見せた。

 N706ieは、ワンセグやおサイフケータイ、FOMAハイスピード(HSDPA)、長時間駆動のバッテリー、デザイン性などを損ねず、見やすさや使いやすさの機能も両立させる、“アクティブな50代のユーザー”をターゲットに据えた端末。「こむずかしくないよ」と小西真奈美さんが印象的に呼びかけるテレビCM効果か、携帯ショップでは「まだらくらくホンではないとは思っていたので、これならいいね」と自身で納得して購入していく指名買いユーザーが予想外に多いという。

 706ieシリーズはN706ie以外にも、シャープ製の「SH706ie」、パナソニック モバイル製の「P706ie」、LG電子製の「L706ie」の全4機種を用意し、各社それぞれ「使いやすさ」の工夫を盛り込むのが特徴。ランキングの変動が少なくなっている現在、706ieシリーズの躍進による活性化に期待したい。

●商戦終え、安価な旧機種が浮上──夏モデルはやや苦戦傾向

 auの販売ランキングは計8機種で順位が入れ替わったものの、ドコモと同様に大きな変化はなくなっている。

 首位は前回と変わらず、シャープ製の「W62SH」が獲得。連続首位記録を「3」に伸ばした。

 続いて2位にカシオ計算機製の「W61CA」、3位にシャープ製の「AQUOSケータイ W61SH」(前回4位)、4位にパナソニック モバイル製の「W61P」(前回3位)、5位に東芝製の「W61T」(前回6位)が入った。

 最近のau端末は、全12機種用意する(このうち、最後の簡単ケータイ W62PTは8月30日発売)2008年夏モデルより、1つ前の2008年春モデルに人気が集まる傾向が見られる。

 今週、KDDIは新機種「URBANO」を発表。9月中旬以降に発売する予定としており、早くも2008年秋冬モデルの第1弾(と言って、差し支えないのだろうか)を投入する。

●夏の新機種はiPhone 3Gの16Gバイトモデル以外、下落──代わりに値下げされた旧機種が浮上

 ソフトバンクモバイルも2008年夏モデルをほぼすべて発売し終え、順位の変動も少なくなってきた。

 首位は前回と変わらず「iPhone 3G(16Gバイトモデル)」が獲得。連続首位記録を「7」に伸ばし、ソフトバンクモバイル端末では唯一キャリア総合ランキングにも入っている。

 続いて2位にSamsung電子製の「821SC」(前回5位)、3位にパナソニック モバイル製の「820P」、4位にシャープ製の「AQUOSケータイ 923SH」(前回2位)、5位に同じくシャープ製の「THE PREMIUM WATERPROOF 824SH(Elegant Line)」(前回4位)が入った。

 今回大きく順位を上げたのは、“コンパクトな有機ELワンセグ”の821SC。ここ最近、前々回の7位、前回の5位とじわじわ順位を上げてきていたが、今回はついに2位まで浮上した。代わりに、夏商戦でiPhone 3Gに次ぐ人気だったAQUOSケータイ 923SHにややブレーキがかかり、4位まで後退。同じく、THE PREMIUM WATERPROOF 824SHも4位から5位に落ちた。

 ソフトバンクモバイル端末は値下げで安価になった旧機種が急浮上することも多いが、この動きは新機種の売れ行きが鈍ってきていることも示す。今回は923SHと824SH以外に、iPhone 3Gの8Gバイトモデルも順位を下げた。

●人気傾向は変わらず、上位6位は変動なし

 イー・モバイル端末の販売ランキングは前回と大きく変わらず、いくつかの機種で順位の入れ替えがあった程度の変動に留まった。

 首位は7.2Mbps通信対応のUSB型データ通信端末「D02HW」。続いて2位にExpressCard型の「D03HW」、3位にUSBスティック型の「D11LC」、4位にPCカード型の「D02NE」、5位に東芝製の音声サービス対応端末「H11T」が入った。7.2Mbps通信対応機種と安価なD11LCにやはり人気が集まっている。

 今回は、Windows Mobile搭載の「EM・ONEα」とCF型データ通信端末の「D01NXII」が順位を上げた。特にEM・ONEαは前回の10位から7位とやや大きく浮上した。

※イー・モバイルの端末はまだ機種数が少なく、データ通信端末は別掲するPHS・データ通信端末のランキングと重複する部分もありますが、このランキングは「イー・モバイルの全機種」が対象となります。今後、機種数が増えるに従って対象範囲を調整することも計画しております。なお、イー・モバイル端末はキャリア総合ランキングの対象にも含めてあります。


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