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2008年08月28日(木) 16時59分

ラブホテルから見えるニッポンの性 最終回オーマイニュース

 今回は、ラブホテルの地域性について触れたい。最初に断っておくが、ひと言に地域性といっても、超個人的な空間を提供するラブホテルの場合、それを限定するのは非常に難しい。

 したがって、この地域はこうである! と言い切ることはできないが、私が現場で見たこと、聞いたことを中心に、おおまかな違いをまとめていきたいと思う。

 まず、北海道。とにかくサービスタイムの設定時間が長い(10時間くらい設定しているところが多々ある)。今ほどサービスタイム制度が取り入られる前から設定時間が長く、ラブホテルではゆったり過ごすという意識が感じられる。冬に暖房料金を300円ほど加算されるホテルも少なくない。

 冬といえば、北陸、東北。この地域は冬の方がラブホテルを利用する人が多い。具体的に言うと、夏より冬の方が売り上げが上がる。田植えから稲刈りまでは忙しいが、冬になると暇になるからか、冬場の利用者の方が断然多いというのである。

 関東は、東京を中心に多種多様である。いろんな所から人が集まっているせいか、バラエティに富んでいる。ほかの地方に比べて、顔を隠して入ってくるお客さんが多く、ラブホテル=後ろめたい雰囲気が関西に比べると、まだ残っているようだ。また上京している若者のひとり暮らしが多いせいか、利用者に中年層が多いというのも特徴である。

 先日、週刊誌で「ラブホテルは不倫の増加を担ったのか?」という取材を受けたが、場所を提供したという意味では、そうかも知れない。とにかく利用客で中高年×OL風という組み合わせをよく見かけるのも関東。

 東海地区でも名古屋などは、性の最先端をいっていて、セックスだけじゃない遊び心もある。豪華な設備や仕掛けがあるのも名古屋(作家の村上春樹さんが取材で名古屋のラブホテルに行って、ウォータースライダーのあるホテルに驚いたらしい)。

 前に取材で訪れた名古屋のあるホテルでは、ワインのフルボトルをウェルカムサービスで振舞っていた。さすが“サービス天国名古屋”である。

 ラブホテルがいわゆるラブホ街ではなく、1軒ずつ、ふいに建っているのも特徴的だ。

 そして、関西。ラブホテルのメッカ、大御所と呼ばれているだけに、ほかの地方にはないエッセンスが含まれているホテルがたくさん存在する。ひと言でいうと「変なホテルが多い」。

 “べんきょう部屋”や“かばのお医者さん”など、奇抜なネーミングのホテルが多いというのも関西の特徴である。

 中国、四国は、セックスに対して保守的というところで、似かよっているといわれているが、四国の方が新しいものに対して敏感である。

 また、九州は東京とそんなに変わりがなく、東京で受けたものをそのまま持ってきてもまだまだ受けるという地域である。

 沖縄は、料金を安く設定しないと流行らないため、なかなかラブホテルの進出&発展が難しい。ラブホテルに関しては、まだまだ発展途上の地域である。

 では次に、その中でも具体的な地域性として東京と大阪の違いを取り上げてみる。

 ラブホテルの発達というか進化の度合いでいえば、東京は関西よりも一歩遅れているという話は、経営者からもよく聞く。

 首都圏の方が土地や建築費が高くつくといったことも、理由として考えられるが、デラックス化を繰り返しながら発展を遂げたラブホテルだからこそ、「ギンギラギンが好き」という点で、関西と共通するものがあったのかも知れない。

 関西にあっても関東では絶対に見かけられない仕掛けがあり、その大抵はスケールの大きい仕掛けである。

 例えば、屋上に1200万円のコンコルドを置いたり、ロビーにオリンピックで使われたボブスレーがあったりと、することにあまり根拠はないが、とりあえず派手思考というのは、大阪らしい気質が出ているように感じる。

 余談だが、大阪には通天閣のすぐ近くに屋上に天守閣があるラブホテルがある。

 私は地方から友人が来るといつもそこに連れて行き、「あれが大阪城やで」と説明する(もちろん嘘です) 。

 また、大阪と東京のおもしろい違いとして、休憩時間の差があげられる。東京の“御休憩2時間”に対して、大阪は1時間なのである。ちなみに兵庫に入ると2 時間単位になる。つまり、全国的には2時間が圧倒的な主流で、1時間というのは大阪だけなのである(大阪でも最近は2時間制を取り入れている所もあります)。

 その昔、大阪のホテルの休憩は3時間制で、お風呂は順番待ちという所もあった。2時間制のホテルが出てきたのは、昭和30年代の終わりの、1ルーム1バスになったころからである。

 これは回転率を上げたいということと、3時間より2時間のほうが料金も安いように見えるという大阪商人らしい理由もあった。さらに大阪では休憩1時間の店が現れ、東京でも第2次オイルショック直後の1980年ぐらいに、同じく休憩1時間の店が出てきたが、さすがに1時間制は関東では受け入れられなかった。つまりは、大阪人の商売根性とせっかちさが休憩時間を縮めていったということだ。

 しかし! そんな中でも、大阪人の平均的な休憩時間は2時間と少々と出ている。すなわち1時間料金で安く入ったつもりでも、結局東京と同じだけ、または少し多めに払っているのと同然なのだ。

 ぱっと見て安ければ後はさして気にしない! 私はそんな大阪人のあほさが好きだ!!

 ということで、結局大阪人が好きだ! というまとめになりましたが、オーマイニュース連載も今回で最後です。

 今までご愛読いただき、ありがとうございました!

(記者:金益見)

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