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2008年08月27日(水) 12時00分

商品のCO2排出量を“見える化”する 「カーボンフットプリント」とは?R25

福田首相が発表した環境方針「福田ビジョン」にも登場し、エコ活動に敏感な企業の注目を集めている「カーボンフットプリント」。近ごろよく耳にする「カーボンオフセット」(下記リンク先参照 ※R25.jpではリンクが表示されています)と勘違いしそうだけど、一体どんなキーワードなのか?

カーボンフットプリント(炭素の足跡)とは、我々が生活の中で消費しているモノやサービスについて、原料採取から製造→包装→輸送→購買・消費→廃棄に至るまでのサイクル全体で発生するCO2排出量を算出してラベルなどに表示し、その商品を購買することによる環境への影響を消費者の目に“見える化”しようという試みのこと。

「カーボンフットプリントの目的は、大きく2つあります。ひとつは我々が消費を通じて間接的に排出しているCO2へ注意を向けることで、自分の生活が与えている温暖化への影響に“気づく”機会を広げること。もうひとつは、企業が環境活動に取り組む姿勢を消費者に向けてわかりやすくアピールでき、それが日々店頭で評価されることで、環境負荷の低減に向けた企業努力のモチベーションになることです。それによって、より低炭素な商品が好まれる“消費構造の低炭素化”への好循環が生まれることが期待されています」

こう教えてくれたのは、企業のカーボンオフセット事業を支援している環境コンサルティング企業、Value Frontier株式会社の梅原由美子さん。だが、実際の導入にあたっては課題もあるという。

「カーボンフットプリントの算定は“ライフサイクルアセスメント”と呼ばれる手法で行えますが、その算出方法が複雑すぎるために、あまり浸透していないのが実情です。カーボンフットプリント制度が普及するには、多くの企業がより簡便にCO2排出量を算出できるシステムの整備が不可欠。また、消費者からの信頼を得るためには、表示内容を認証する第三者機関を設立して、“偽装表示”などの問題を防ぐことも必要になるはずです」

現在、経済産業省を中心として食品メーカーや大手小売店らが協議し、CO2排出量の算出方法や、その評価に関わる統一ルールが検討されている。早ければ09年の春ごろには、カーボンフットプリントが表示された商品が市場に流通し始める見込みだという。

お店の陳列棚からおやつを選ぶとき、カロリー表示と一緒にCO2排出量をチェックする日がやって来るのは、そう遠くはなさそうだ。
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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