記事登録
2008年08月27日(水) 12時08分

いも焼酎とともに半世紀(96)オーマイニュース

 サツマイモ礼賛論に夢中になっていると、決まって出る反論は……。

 「それにしてもアレには困るなあ」

 アレとは、落語で言う「テンシキ」、ずばり言えば「おなら」である。そういえば、おならの音にも、“香り”にも近ごろあまり出くわさなくなった。やはり、サツマイモをほとんど食べなくなったからだろうか。

 本物を聞いたことはないが、果ては放屁(おなら)の煙となるを知っていながらサツマイモという都々逸があるそうだ。

 おならだけではない。食べ過ぎると、胸やけがしたり、腹がゴロゴロしたり、ゲップが出たりしたのを覚えている方もあろう。その理由は科学的に解明されている。

 一般に、デンプンや繊維質の食品を食べると、おならが出やすいのは、経験からもよく分かる。サツマイモのデンプンには消化酵素アミラーゼで分解できないものが含まれている。また、デンプンを包む細胞壁が破れにくいので、食物繊維とともに、小腸から大腸に送られる。それが大腸内の細菌の栄養源になって分解され、腸内発酵が活発化、メタン、二酸化炭素、水素などがたまり、腸内ガスとなる。これがおならや胸やけ、ゴロゴロの原因だというのだ。

 ところで、おならの悪臭は、肉や魚などタンパク質が分解される際に発生するアミン、アンモニアや硫化水素、インドール、スカトールなどが含まれているからである。これに比べ、サツマイモのおならはしょせん、デンプンを分解したものだから、豪快な空砲で臭くはないと弁護されている。ゲップも出るが、飲み込んだ空気が大部分で腸内発酵のおならとは違うという。

■参考文献
『まるごと楽しむサツマイモ百科』(農山漁村文化協会)
『いも 見直そう土からの恵み』(女子栄養大学出版部)

(記者:大津 彬裕)

【関連記事】
大津 彬裕さんの他の記事を読む
【関連キーワード】
焼酎

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080827-00000006-omn-soci