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2008年08月27日(水) 22時19分

拉致の伊藤さん、遺体で発見 大使館員確認産経新聞

 アフガニスタン東部のジャララバード近郊で日本のNGO(非政府組織)「ペシャワール会」(本部・福岡市)ボランティアの伊藤和也さん(31)=静岡県掛川市出身=が拉致された事件について、山本一太外務副大臣は27日午後に緊急記者会見を開き、拉致現場近くで、日本人らしい男性の遺体が発見されたと現地から連絡があった、と発表した。現地の大使館員は同日夜、共同通信の取材に対して、男性遺体が伊藤さんだと語った。

 山本氏によると、男性の遺体はジャララバードに搬送され、カブール駐在の日本大使館員が日本時間の同日夜に現地に入り、確認作業を行った。また、外務省は山本栄二領事局参事官を27日夜アフガンに向け派遣し、情報収集態勢を強化して正確な事実の把握に努める考えだ。

 山本氏は記者会見で、「政府として確認している事実だけを発表する」とした上で、「発見された男性が伊藤さんかどうか確認がなされていない。遺体の発見状況も現時点ではよく分かっていない」と慎重に言葉を選び、情報の詳細については具体的言及を避けた。26日にアフガン政府から「伊藤さん解放」の連絡が入ったにもかかわらず、約1時間後に「誤報だった」と訂正されるなど、現地の情報が混乱した経緯があるため、発表内容に慎重になっていたものとみられる。

 男性遺体発見は国連組織を通じて日本時間27日午後2時ごろ、カブールの日本大使館に連絡があった。現地のナンガルハル州知事事務所からも同様の連絡が入ったという。

 山本氏は、伊藤さんと同行していた現地人の運転手の安否確認については「いろんな情報があり、どうなっているか分からない」と述べた。犯人グループの逮捕情報についても「情報が錯綜(さくそう)しており発表できない」として言及を避けた。男性遺体の発見状況や事件の背景などについては「不明な点が多い」などと述べるにとどめた。

 ペシャワール会事務局は27日午後に記者会見し、男性遺体と対面した同会現地スタッフが、遺体は伊藤さんに間違いないと話していることを明らかにしていた。

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