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2008年08月27日(水) 19時52分

アフガンの男性遺体、現地スタッフが伊藤さんと確認読売新聞

 アフガニスタン東部で日本の民間活動団体「ペシャワール会」(福岡市)の伊藤和也さん(31)=静岡県掛川市出身=が拉致された事件で、同会は27日午後、福岡市内の本部で記者会見し、現地のスタッフが、同国東部の谷間で伊藤さんの遺体が見つかったと発表した。

 現地スタッフが伊藤さん本人と確認したという。

 外務省も同日午後、現地警察から「日本人らしい男性の遺体が発見された」という連絡を受けたと発表。身元を正式に確認するため首都カブールの日本大使館員を、遺体の搬送先のアフガン東部ジャララバードに向かわせた。

 同会の福元満治事務局長(60)によると、遺体は現地時間の27日午前(日本時間同日午後)、伊藤さんが拉致されたダラエヌールに近いブディアライ村の北3〜4キロの谷間で見つかった。犯人が逃走中に射殺したとみられるという。遺体は同村に運ばれ、同日午後、同会がパキスタン・ペシャワルで活動拠点にしている病院のアフガン人副院長が確認した。副院長は伊藤さんをよく知る人物で、「伊藤さんの死亡は間違いない」としている。

 伊藤さんは2003年12月からダラエヌールで現地の人々に農業指導をしていたが、今月26日朝、武装グループに運転手とともに拉致されていた。

 外務省の山本一太副大臣によると、遺体はその後、ジャララバードに運ばれた。同省は首都カブールの日本大使館員を現地に向かわせたほか、同省領事局の山本栄二参事官をアフガンに派遣した。

 同会によると、遺体が伊藤さんと正式に確認された場合、ブディアライ村で、イスラム式の葬儀が行われる予定。遺体はカブールの大学で検視された後、飛行機で日本に搬送される。

 伊藤さんの両親は現地での葬儀に出席を希望したが、危険なため中継地点での対面になる可能性が高いという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080827-00000043-yom-int