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2008年08月25日(月) 09時06分

世界10万台以上のパソコン乗っ取りに関与した男の顛末はjapan.internet.com

ニューオリンズの米連邦大陪審が、ボットネットの管理、貸与、および売却を行なう組織に関与した疑いがあるとして、Leni de Abreu Neto 容疑者を起訴した。ボットネットとは、多数のコンピュータを乗っ取って構築したネットワークのことで、おもにスパムメールの送信に利用される。

起訴状によれば、ブラジル生まれの Neto 容疑者は、世界中の10万台以上のコンピュータで構築したボットネットを使っていたという。またこの起訴状では、ボットネットの作成者としてオランダ在住の Nordin Nasiri 容疑者の名を挙げている。さらに起訴状によると、5月から7月にかけて Nasiri 容疑者がボットネットとそのソースコードを、詳細不明の第三者に対して2万5000ユーロ (およそ4万ドル) で売却する手助けに Neto 容疑者が応じたという。

Neto 容疑者は現在、このボットネットに関わったことで Nasiri 容疑者とともにオランダ当局が拘束しており、米国政府は Neto 容疑者の引き渡しをオランダ政府に求めている。ただし、Neto 容疑者の捜査を主導する米司法省 (DoJ) は、Nasiri 容疑者について告訴する様子を見せていない。

DoJ の広報担当者は、この事件に対する米国の関与度合いと Nasiri 容疑者を訴追していない理由について言及を避けた。

「Nasiri 容疑者はオランダ当局が起訴しており、また身柄引き渡し手続きについては、目下進行中としか言えない」と、DoJ 広報担当の Laura Sweeney 氏は取材に対して語った。また、Neto 容疑者および同容疑者の弁護士には、記事掲載時までに接触できなかった。

起訴状によると、Neto 容疑者の活動によって世界中の10万台以上のコンピュータが攻撃を受け、ゾンビ化してしまったという。米国に Neto 容疑者の身柄が渡り、有罪判決が下れば、同容疑者は最大で禁固5年、さらに出所後3年間の保護観察処分という刑罰を受けることになる。

その上 Neto 容疑者には、25万ドルの罰金、同氏が得た金銭的利益の総額、または被害者が受けた金銭的損失の総額のうち、最も大きい額を支払うという処分が下ることになる。

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