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2008年08月20日(水) 15時00分

ネットユーザーの29%がスパム経由で商品を購入〜英Marshal調査Impress Watch


 インターネットユーザーの29.1%がスパム経由で商品を購入した経験があることが、セキュリティ企業の英Marshalが行った調査で明らかになった。

 調査は、MarshalのWebサイトで2008年6月から7月まで行われ、「スパムでどのような商品を購入したか」という質問に対して622件の回答があった。一般的なスパム商品を選択肢として挙げ、回答する形式が採用された。Marshalでは、2004年に米Forrester Researchが行った調査結果を引用し、当時の購入率の20%に比べて大きく増加していることを指摘している。

 この現状について、Marshal商品担当バイスプレジデントのBradley Anstis氏は「多くの人は、なぜこれほどスパムが多いのだと自問する。答えは、スパマーにとって十分にやりがいがあり、利益が出る働きだと思えるほど十分の数の人々がスパムで商品を購入するからだ」と説明する。

 スパムは多くの場合、ボットネットによって大量送信されており、この仕組みによってスパムを大量に送信することが飛躍的に容易になった。最近のFBIの捜査やスパマーによって利用されている掲示板の情報によると、100万通のスパムを送信するのに必要なコストは5〜10ドルにまで低下している。スパムは犯罪組織が行う巨大なビジネスであり、高度に組織化されている。Marshalの調査によれば、スパム全体の80%がたった5つのボットネットによるものとされる。

 なぜスパムでこれほど物が売れるのかについて、Anstis氏は以下のように説明している。「一般的な誤解は、『まとも』な人ならスパムで物を買わないだろうということだ。しかし、人々が購入している商品の種類を考慮に入れなければならない。それは海賊版ソフトウェア、盗品の時計、偽ブランド商品、格安の麻薬や処方せんが必要な薬剤、ポルノやその他アダルト商品などだ。インターネットは、規制された違法な商品を購入したいと思う人々に対して、便利さと適度な匿名性を提供する。これはブラックマーケットであり、スパムは、スパムから購入したいと願う何百万もの人々に対して宣伝するための便利な手段となってしまったのだ」。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080820-00000011-imp-sci