記事登録
2008年08月19日(火) 21時40分

村上被告「実現不能、インサイダーに当たらず」 高裁で無罪主張産経新聞

 ニッポン放送株のインサイダー取引事件で、証券取引法違反の罪に問われ、1審東京地裁で懲役2年、罰金300万円、追徴金約11億4900万円の実刑を言い渡された村上ファンド元代表、村上世彰被告(49)の控訴審初公判が19日、東京高裁(門野博裁判長)で開かれた。村上被告側は「ライブドア(LD)の株大量取得計画は実現不可能で、証取法のインサイダー情報には当たらない」と改めて無罪を主張。検察側は控訴棄却を求めた。

 控訴審も、村上被告が平成16年11月8日に、LD元社長、堀江貴文被告(35)=上告中=らから伝えられたニッポン放送株の大量取得計画がインサイダー情報に当たるかどうかが主要な争点になった。

 弁護側は「インサイダー情報になるためにはある程度の実現可能性が必要」と主張。実現可能性がなかったことを立証するため、LDがこの時期、融資を申し込んでいたスイス系金融機関に融資の動きがなかったことを示すとする電子メールを新証拠として提出し、採用された。

 一方、検察側は答弁書で「証取法の解釈上、実現可能性の高低を問題にすること自体が不当」と反論した。

 次回公判は9月16日。村上被告の被告人質問が行われるほか、情状証人として、村上被告の妻らが出廷する予定。

【関連記事】
「もの言う株主」村上被告 控訴審初公判、再び無罪主張の公算
村上ファンド事件 控訴審初公判は8月19日
インサイダーで課徴金勧告へ 「ピンキー&ダイアン」などの「サンエー」
野村証券に業務改善命令 インサイダー事件で金融庁
NHKが検証番組を放送 インサイダー取引問題

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080819-00000978-san-soci