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2008年08月19日(火) 12時42分

オーマイニュースが「ニュース」の名称外す 9月から「ライフ」に変更産経新聞

 市民記者によるニュースサイト「OhmyNews(オーマイニュース)」を運営するオーマイニュース(東京、小宮紳一社長)は、8月末でサイト名から「ニュース」の名称を外し、「0h!MyLife(オーマイライフ)」に変更することを明らかにした。独自の市民記者制度は残すが、今後は「体験レポート」の投稿を求めるという。ニュース自体の供給を読者に求める手法で2006年8月に始まった同サイトは、開始から2年で転機を迎えた。

 同社サイトに掲載された「2周年を機に、サイトを大幅リニューアルします」と題した社告によると、オーマイニュースは9月1日からサイト名を変更。これまで「ニュース」の投稿を求めていた市民記者に対し、今後は「体験レポート」の投稿を募集する。また、市民記者の中から職業経験や専門知識を持つ「エキスパート」を希望により選び、「専門家情報」の投稿を求める。それぞれの報酬体系も別にするという。

 社告や平野日出木編集長の説明によると、これまではニュースのカテゴリー分けが「政治」「社会」「経済」など既存メディアの区分に類似していたため、「どうしても既存メディアが報じるニュースを連想させてしまう面」があり、「新聞やテレビの政治、経済、事件報道のような話は自分には書けない」と萎縮してしまう人や、「新聞やテレビの報道への自分の意見と感想がニュースである」と誤解する人もいたという。

 このため、カテゴリー分けを「マネー」「住まい」「健康・医療」「トラベル」「ファッション」など生活に密着した商品・サービスへと区分し直し、生活者の視点からの体験報告を募集していくことにしたという。

 オーマイニュースは06年に韓国から進出。ソフトバンクが30%を出資し、現在約4650人の市民記者が月に1000本以上の記事を投稿している。韓国では大統領のインタビューを実現させるなど相応の影響力を持つメディアに急成長したが、日本での盛り上がりは当初の期待ほどではなかった。

 昨年6月には編集長がジャーナリストの鳥越俊太郎氏から講談社の「FRIDAY」「週刊現代」元編集長の元木昌彦氏へ変わり、12月には元木氏から日本経済新聞社出身の平野氏に交代。社長も昨年末以降、創業者の呉連鎬氏から元木氏、ソフトバンク出身の小宮氏へと次々に交代していた。

 平野編集長は「これまでは韓国にモデルがありそれに従ってやってきたが、2年たって今までのようなスタイルではだめだという認識もあった。ニュースサイトの看板を下ろすわけではないが、『ニュース』の定義自体が変わってきているのではないかとの問題提起も込め、サイト名変更に踏み切った」と話した。

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