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2008年08月16日(土) 09時59分

振り込め根絶へ口コミ作戦中国新聞

 息子を装ったり、還付金の手続きと偽ったりして現金を振り込ませる「振り込め詐欺」の被害をなくすため、広島県警は18日から、地域のボランティアを通じて口コミで防止策を伝える「100日作戦」を展開する。大半の被害者が詐欺の概要を知りながらだまされているため、身近な防犯ボランティアが出向いて、防犯情報の一層の浸透を目指す。

 地域安全推進員ら約7300人が中心となり、被害の多い60—70歳代の女性宅を訪問。詐欺のやりとりを再現した音声を聞いてもらい、「家族に確認、相談」などと注意を促すちらしを配る。実施期間は18日から11月25日まで。

 警察庁のまとめでは、振り込め詐欺による今年上半期の被害は1万1755件で、被害額166億9000万円と上半期では過去最悪。県内では7月末現在、278件と昨年同期比で51件減少したが、被害額は約3億8000万円と昨年を上回っている。県警生活安全企画課のアンケートでは、なりすまし詐欺の被害者の9割以上が「知っていた」というが、いざ電話があるとパニックになってすぐ振り込んでいる。県警の池田泰明・減らそう犯罪情報官は「まさか被害に遭うとは思っておらず、『息子』の悲痛な声でマインドコントロールにかかりやすい」と分析する。金融機関では職員の声掛けに加え、7月からATMコーナーでの携帯電話使用自粛を求めるなど「水際」での被害防止対策も広がりを見せている。振り込め詐欺の音声情報は電話082(223)3746。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200808140003.html