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2008年08月15日(金) 11時13分

ガソリンの値決めが変わる?オーマイニュース

 8月11日。石油元売り大手の出光興産が、「8月後半と9月前後半は、ガソリンや軽油などの卸値を公表しない」と発表しました。この春に暫定税率が打ち切られて以後、メーカーによっては月に1度か2度だった卸値の公表が、1社だけとは言えしばらく行われないとなると、ガソリンスタンドやドライバーはどうすればいいと言うのでしょうか?

 出光が決断した理由のひとつには、「10月から、業界全体で毎週卸値を公表することにしたため、その移行期間のつもり」との方針があると報じられています。

 石油製品の卸値を決めるのは、調達コストと為替の動向が決め手になります。もちろん原油価格もそのひとつでしょう。

 現在石油メーカーは、ガソリンスタンドへの卸値を月に1度か2度変更していますが、原油価格の変動がおよそ3週間後の卸値に反映されるしくみのため、卸価格が下がっても、ガソリンスタンドで上がることも考えられます。そこを見透かした消費者がメーカーに抗議し、今回の決定につながったと思います。

 さて、ここからが肝心。実際、出光の8月後半の卸値はどうなっているのでしょうか? 読売新聞の推定では「6円から7円の下げ」、と言うことになりそうですが、これはあくまでも推定、ガソリンスタンドでどうなるかは出掛けてみなければわからないでしょう。

 ちなみに、毎月1回しか値決めをしない新日本石油やジャパンエナジーは、9月分で10円の下げになると予想されているのです。そうなると出光も下げに転じ、最高値水準だったガソリンの値段も、ようやく落ち着くことになりそうです。

 ガソリン価格が毎週値決めされるようになると、ドライバーは各地の原油相場を無視できなくなるでしょう。原油価格が注目されるとなると、人情からして円相場と同じように直近の相場を知りたくなるものです。ニューヨークだけでなく東京にも商品取引所があり、原油の先物価格が連日公表されています。マスコミは消費者やドライバーのために、株や円の動きと同じように原油相場を伝えてほしいものです。

(記者:河村 崇)

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