記事登録
2008年08月15日(金) 11時08分

いも焼酎とともに半世紀(92)オーマイニュース

 サツマイモは中南米からはるばる日本まで伝わってきたのだから、日本だけで栽培しているのでない。今では原産地の中南米ではわずかしか栽培されず、アジアやアフリカの方がはるかに多い。中でも中国がずばぬけて世界最大の生産国だ。寒冷なヨーロッパでは普及していない。

 ちょっと古いが、国連食糧農業機関(FAO)の2004年の数字では、全世界の生産量は1億2700万トン。このうち、中国は1億500万トン、世界の 80%余を産する(ジャガイモも中国が首位)。食料ではなく半分が豚などの飼料用。中国に次いで2けた低い100万トン台の数字でアフリカのウガンダ、ナイジェリア、アジアのインドネシア、ベトナムが続き、日本は8位。ざっと100万トンで、世界の1%足らず(順位以下は2002年の数字)。ついでながら、世界のサツマイモの生産量は、ジャガイモの半分にも満たない数字である。

 南太平洋のソロモン諸島やアフリカのブルンジ、ウガンダでは主食にしている人が多いので、1人当たりの消費量が多い。ニュージーランドの先住民族マオリ人の間では、白人到来前は主食だったが、最近ではジャガイモの方が人気だという。

 日本では、関東以南で主に作られ、生産量は鹿児島、茨城、千葉、宮崎、徳島県の順で、この5県で全国の8割、鹿児島県は全国の4割(ざっと40万t)を産するサツマイモ王国(2005年産農林水産省作物統計)だ。

 2007年の鹿児島県の作付面積は約2%増え、1万4000ヘクタールになったが、高温・少雨の影響で、総生産量(約37万トン)、10アール当たり収量(2640キログラム)とも前年を下回った(農林水産統計)。

(記者:大津 彬裕)

【関連記事】
大津 彬裕さんの他の記事を読む

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080815-00000000-omn-soci