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2008年08月13日(水) 18時16分

柔道男子、史上最低の成績=斉藤監督「腹切るか考えないと」〔五輪・柔道〕時事通信

 【北京13日時事】柔道で日本男子が苦戦している。13日終了時点で金メダルは66キロ級を2連覇した内柴正人(旭化成)の1つだけ。終了した他4階級はメダルにはるか遠く、2階級を残す段階でメダル数が五輪史上最低となることが確定した。
 五輪が7階級制になって以降、男子のメダル数はソウル4、バルセロナ5、アトランタ、シドニー、アテネは各4。今回、残る100キロ級の鈴木桂治(平成管財)と100キロ超級の石井慧(国士大)が取っても3個にしかならない。
 現役時代にソウル五輪で唯一の金メダルを獲得し、辛くも日本の面目を保った斉藤仁男子監督は「全責任は監督にある。反省している。何かが原因。どのへんで(自分が)腹を切るか考えないといけない」と辞意をちらつかせた。
 五輪に合わせて4年サイクルでコーチ陣を編成する日本で、アテネと北京の2大会通算8年を率いた斉藤監督の交代は規定路線。ただ、地盤沈下を放り出して辞めればいいというものではない。選手強化の見直しのほか、けがとの付き合い方やケアの方法などを深く探る必要がある。90キロ級の泉浩(旭化成)は減量に失敗して2回戦敗退。これは戦わずして敗れたのと同じだ。
 全日本柔道連盟のある強化コーチは、「ロンドン五輪で男子は出場権を獲得できない階級があるかもしれない」と指摘する。もはや日本古来の武道ではない世界の柔道。存在感を示さなければ取り残され、競技の発祥国がどこだったのかさえ、誰も気に留めなくなっていく。(了)

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