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2008年08月12日(火) 14時24分

WSJ-SYSCO、「果物などの価格上昇がインフレの主因」ダウ・ジョーンズ

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米食品流通大手のSYSCO(NYSE:SYY)は11日、「皿の中心にある」肉製品よりも、果物、野菜、乳製品の価格上昇がインフレの主因であるとの見方を示した。同社は売上高ベースで米国最大の食品サービス会社。

ディック・シュニーダーズ会長兼最高経営責任者(CEO)は、この日発表した決算に関する電話会見で、「肉製品は最大のインフレ要因ではない」と語った。

米国の食肉生産業者は、トウモロコシを原料とするエタノール支援策が肉製品価格の上昇を招き、国内産業の生存を脅かしているとして、政府の農業・エネルギー政策を激しく非難している。

これに対し、米アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(NYSE:ADM)などのエタノール生産業者は、「食料対燃料」の争いというよりも、輸送コストがインフレの主因だと反論している。

ハンバーガーチェーン大手ウェンディーズ・インターナショナル(NYSE:WEN)を最大の顧客としているSYSCOは、レストランとファストフード店向けの投入コストの増大による影響を軽減するために、向こう12-18カ月はコスト管理に注力する方針を明らかにした。

シュニーダーズ会長は、組織全体の生産性を向上させていると強調。1万8000台のトラックの積荷量を増やしているほか、ルートの変更、倉庫の合理化を行っているという。

同社によると、今年6月28日までの28週間の食品価格上昇率は前四半期と同じ6.2%に達した。投入コストの増加と景気減速はともにSYSCOの顧客維持を難しくしているが、シュニーダーズ会長は「嵐を乗り切ることができる」と予想している。

同社は顧客とともに、より安い材料を使用したメニューの見直しや、消費者への価格転嫁などに取り組んでいる。同会長は、「これまで7-8年間値上げをしなかった顧客もいるが、現在の状況では命取りになる」と語った。

なお、SYSCOが発表した4-6月期(2008年6月期の第4四半期)決算は、純利益が前年同期比10%増の3億3410万ドル(前年同期は3億0340万ドル)、1株利益が55セント(同49セント)。売上高は同5.4%増の97億3000万ドルとなったが、物価調整後では減収となった。

同社株の11日終値は前週末比1.28ドル(4.29%)高の31.15ドル。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080812-00000021-dwj-biz