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2008年08月11日(月) 12時00分

金融庁が検討中の「電子マネー法」の中身R25

SuicaやEdyなど、最近、身近に電子マネーを使える店舗が増えてきた。でも、電子マネーの運営会社が倒産したら、預けていた“お金”はどうなってしまうのか。そんな不安を解消すべく、政府が検討しているのが「電子マネー法」だ。法整備で、電子マネーはどう変わっていくのか。電子マネー法について議論を進めている金融庁の諮問会議のメンバー・吉野直行慶應義塾大学教授が語る。

「電子マネー発行会社が倒産して、利用者がチャージしているお金がなくなってしまうのでは、利用者は不安です。これまでもプリペイドカード法という法律でカード発行者に供託金を課す制度がありましたが、電子マネーにも同じような仕組みが必要だと思います。また、電子マネーだけでなく以前はただのおまけに過ぎなかったポイントサービスも、最近では他社のポイントと交換できたりとお金のような性格も持つようになり、発行残高も増えています。そのため勝手に発行会社の都合で交換比率が変更されてしまうような不当な不利益を利用者が被らないようにする必要もあります」

これまで各事業者が手探りで進めてきた電子マネー、ポイントサービスだったが、規模の拡大によって消費者保護を考えざるを得ない状況になっているのだ。

また、電子マネーに詳しい岩村充早稲田大学教授は、法整備で電子マネーは利便性も向上する方向にあると言う。

「これまでグレーゾーンだと思ってできなかったことが、法律でしっかり定義されることによってできるようになるかもしれないと個人的には思います。たとえば、現在の銀行法では送金業務が禁じられていますが、電子マネー法が成立すればできるようになるかもしれない。少額決済に限れば、友人同士などで電子マネーを銀行口座のように使って、送金できたら便利でしょう」

電子マネーもポイントサービスも法律によって保証され、使い勝手もアップすれば、ますます普及するに違いない。キャッシュレス時代は近いかも!?
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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