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2008年08月08日(金) 12時06分

【ストーカー判事 判決公判ライブ】(1)背筋を伸ばし目をパチパチ…主文に下山被告産経新聞

 ≪9:58〜10:05≫

 《部下だった20代の女性の携帯電話に「もうお風呂入った?」などと執拗(しつよう)にメールを送ったとして、ストーカー規制法違反の罪に問われた宇都宮地裁判事、下山芳晴被告(55)の判決公判。7月25日の初公判では「すべて間違いありません」と起訴事実を全面的に認めたが、検察側は「司法制度に対する国民の信頼が損ねられた」として、現職判事による犯罪行為を厳しく指弾、懲役6月を求刑した。渡辺康裁判長は、甲府地裁都留支部長を務めた下山被告のかつての「仲間」。“判事の犯罪”にどのような判決を下すのであろうか》

【写真】下山被告が弁護人を通じて発表した直筆のコメント

 《初公判の時と同様、うだるような暑さとなったが、26席の一般傍聴席を求めて、甲府地裁前には朝から176人が並んだ。公判が開かれる3階の301号法廷では、9時54分から報道機関による廷内撮影が行われた。裁判官3人はすでに着席しており、同57分、グレーの背広にピンクと白のストライプのシャツを身にまとった下山被告が現れた》

 《下山被告は入廷するとまず傍聴席の方へ一礼。足早に被告人席へと進み、裁判官に対して頭を下げた後、着席した。これまで黒い法服を身につけ廷内で最も高い場所から被告人に判決を下してきた下山被告。どのような心境で被告人席に座っているのだろうか》

 《同58分、裁判長が開廷を告げた。判決に先立ち、裁判長は7月25日の公判の弁論で弁護側が主張した「首服」と自首の主張について検察側の意見を求めた。首服とは、捜査機関にではなく、被害者に犯罪を申告するもので自首に近いものだ》

 検察官「下山被告が被害者に(犯行を)打ち明けたときには、捜査機関は犯人を特定できていました。仮に首服にあたるとしても、刑を減軽すべきてはありません。自首についても被害者の申告で犯罪が発覚しており自首は成立しません」

 《あくまでも減刑の対象にはあたらないと検察側は主張する。裁判長は続いて弁護側の意見を求める》

 弁護側「(被害女性に犯行を打ち明けた)4月8日の時点では(下山被告が犯人とは)明らかでなかった。首服の用件を満たしています」

 《裁判長は下山被告に意見を求めた》

 裁判長「弁論を再開したので意見を聞きますが、ありますか」

 下山被告「前にも述べた通りで、特にありません」

 《裁判長は10時、いったん休廷を告げた。休廷は4分間。この間、下山被告は被告人席に深く腰掛け、背筋を伸ばして正面を見据えている。幾分、まばたきの回数が多く感じられるが、動揺したりしている様子はみられない。10時4分裁判官が入廷した》

 裁判長「被告人前に立ってください」

 《裁判長に促され、下山被告は法廷の中央にある証言台へと移動した。両手を前に合わせて背筋を伸ばして立つ下山被告。裁判長が主文を告げた》

 裁判長「被告人に対する判決を言い渡します。主文。被告人を懲役6月に処する。この裁判が確定した日から2年間、刑の執行を猶予する」

 《執行猶予のついた判決だった。弁護側の主張する告訴権者の被害者に犯人であることを告げた「首服」を認めたのだろうか。傍聴席では、判決主文を聞いた報道記者が、内容を知らせようと一斉に立ち上がった》

 =(2)に続く

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