記事登録
2008年08月07日(木) 10時10分

DJ-ヴァーレ4-6月期、鉄鉱石の大幅値上げで過去最高益ダウ・ジョーンズ

サンパウロ(ダウ・ジョーンズ)ブラジルの資源大手ヴァーレ (NYSE:RIO)(VALE5.BR)が6日発表した4-6月期決算は、ニッケル価格の下落やレアル高を鉄鉱石価格の大幅値上げが相殺し、利益・売上高とも四半期ベースで過去最高となった。

米国の「一般に認められた会計原則(GAAP)」に基づく純利益は前年同期比22.3%増の50億1000万ドル、1株利益は同22.3%増の1.04ドル。売上高は同22.5%増の109億ドルだった。

EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)は同23%増の62億2000万ドル。

アナリストは、純利益は17%増、売上高は30%増を予想していた。

同社は決算リリースで、増益の要因について「同四半期は、鉱石のファンダメンタルズ(基礎的条件)が良好な状態が続いた」としている。

同社は2月に2008年の鉄鉱石価格交渉を終え、鉄鉱石については品質によって65-71%、鉄鉱石ペレットについては87%の値上げを確保した。この値上げは4月1日から有効となり、4-6月期初から業績に好影響をもたらした。

鉄鉱石価格の大幅な引き上げは、ニッケル価格の急落を相殺するのに寄与した。同社の売上高のうち約50%を鉄鉱石、約40%を非鉄金属が占めている。

指標となるロンドン金属取引所(LME)のニッケル3カ月先物は、4-6月期の平均価格が1トン=2万5901ドルと、前年同期の4万6035ドルから大幅に下落した。

また多額の輸出収入があるヴァーレにとっては、レアルの対ドル相場が上昇し続けたことも痛手となった。

レアルの対ドル相場は4-6月期、前年同期に比べ約20%上昇した。

その一方で、同社の鉄鉱石と鉄鉱石ペレットの輸出量は前年同期比7.9%増の7886万トンと、四半期ベースでは過去最高に達した。

ヴァーレは声明で「4-6月期は、ドル安によって、原材料、設備、サービスのコストが押し上げられた。またニッケル価格は過去最高水準から下落した。こうした不利な条件があったものの、同四半期の業績は素晴らしかった」とした。

決算はサンパウロ証券取引所の取引終了後に発表された。好決算が予想されたことから、ヴァーレの優先株の6日終値は前日比3.88%高の37.44レアルとなった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080807-00000016-dwj-biz