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2008年08月07日(木) 10時39分

<グルジア>南オセチアで独立派勢力と治安部隊が交戦毎日新聞

 【モスクワ大木俊治】グルジアからの分離独立を求める南オセチア自治州で6日、独立派勢力とグルジア治安部隊が交戦し、本格的な戦闘の再燃が懸念されている。ロシア外務省は同日、双方に自重を呼びかけるとともに事態収拾のためグルジアに特使を派遣した。現地に駐留するロシア平和維持軍は事実上、独立派勢力を保護しており、90年代の紛争が再燃すれば、北大西洋条約機構(NATO)加盟を目指すグルジアと、これに反対するロシアの武力衝突に発展する可能性も懸念されている。

 インタファクス通信によると、南オセチアを実効支配する独立派政府は、勢力圏内の要衡をグルジア治安部隊が占拠したため、砲撃戦の末に奪還したと主張。一方グルジア側は、グルジア支配地域の村が砲撃されたため反撃したと主張している。独立派政府はグルジアの砲撃で住民3人が負傷したと発表。グルジア側は死傷者はなかったが、数十軒の住宅が破壊されたとした。

 南オセチアでは92年の和平合意後も散発的な衝突が続いてきたが、今月1〜2日に独立派の6人が死亡する戦闘が起き、南オセチアの子供数百人がロシアに避難するなど緊張が高まっている。

 同様にグルジアからの分離独立を求めるアブハジア自治共和国の独立派政府も5日、南オセチアへの軍事支援の可能性に言及。また欧米の仲介で15日にベルリンでグルジアと和平交渉を行う予定だったが、グルジアが南オセチアへの攻撃を中止しなければボイコットすると表明している。

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