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2008年08月06日(水) 18時45分

初入閣で最後のご奉公「鈴木恒夫」文科相オーマイニュース

 8月1日に発足した福田改造内閣の顔触れには、ほとんど期待できない、というよりも

◆「あ、そう」と さめた反応 新内閣
◆増税だけ やる気をみせた 新内閣

というところだが、強いて探せば、文部科学大臣に初入閣した鈴木恒夫氏に、少々関心がある。

 横浜出身で横浜選出、67歳の彼は、早稲田大学政治経済学部卒業後、毎日新聞政治部記者として15年ほど勤務した。

 その後、同じ神奈川県選出の大物「河野洋平」氏の秘書などを勤めて「新自由クラブ」で衆院議員になったが、同党解散後は、自民党員となった。

 「さきがけ」に参加するはずだったが、落選し、その後、また自民党で当選し、現在6回目のお勤めだが、次の総選挙には立候補しないと表明している。現在の派閥は麻生派である。

 文部行政には何度かかかわっている。また環境問題に熱心に取り組んできた。思想的には「リベラル」と思われる。

 今期限りで引退する政治家を初入閣させた福田首相の意図は、どこにあったのか分からないが、麻生氏を幹事長にと懇請したときに、条件として受け入れたのかもしれない。

 鈴木恒夫氏が文部行政のトップでいられるのがあと何カ月か分からないが、ぜひやって欲しい仕事がある。

 文部科学省内の「外交センスゼロ」のナショナリストが、学習指導要領に、これまで記述のなかった「竹島」について、日本の領土であると、あえて書き込もうとした。

 こんなことをすれば、韓国で就任早々低支持率にあえぐ「イ・ミョンバク」政権としては、日本に対して黙っていられるはずがない。外交問題化するのは必至である。

 福田内閣としても、今こんなことで韓国との間にあえて波風を立てたいはずがない。両国トップにとって迷惑なはなしだ。

 麻生派ではあるが河野洋平氏や田川誠一氏など「自民党リベラル」の系譜である鈴木氏には、引退前の最後のご奉公で、虎ノ門に巣くう偏狭なナショナリストと1戦交えてもらいたいと、私は期待している。

(記者:安住 るり)

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