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2008年08月05日(火) 11時34分

<松本サリン事件>被害者の河野澄子さん死去毎日新聞

 94年6月に発生し、7人が死亡した「松本サリン事件」の被害者で、事件の第1通報者である河野(こうの)義行さん(58)=長野県松本市北深志、元県公安委員=の妻澄子(すみこ)さん(60)が5日午前3時4分、入院先の松本協立病院で、サリン中毒による低酸素脳症に伴う呼吸不全のため死亡した。

 自宅近くで発生した事件に巻き込まれ就寝中にサリンガスを吸った澄子さんは、事件以来、意識の戻らない状態が続いていた。

 98年からは同市内の身体障害者養護施設などで療養生活を送り、容体が安定している際には自宅に戻り、家族全員で過ごすこともあった。

 最近は胃腸の働きが弱まるなど衰弱し、体温が32度まで下がったこともあった。電気毛布を使って体温を維持するなどしていたが、5日未明に容体が急変したという。

 義行さんはこの事件発生から14年間、ほぼ毎日のように看病に訪れ、その日の出来事などを澄子さんに話しかけていた。澄子さんは時折、涙を流すなどの反応を見せていたという。

 義行さんは同日午前、毎日新聞の電話取材に「今日の明け方亡くなった」と淡々と語った。【藤原章博、渡辺諒】

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