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2008年08月05日(火) 17時02分

【北京オリンピック】米国の五輪チケット販売サイトで詐欺事件が発生——数百人分の個人情報が流出の疑いComputerworld.jp

 米国で偽のオリンピック・チケット販売サイトを舞台にした詐欺事件が発生し、多くの被害者が出た。セキュリティ専門家は、今後も同様の事件が起こる可能性があると警告している。

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 ReutersやLos Angeles Timesなどの報道によると、国際オリンピック委員会(IOC)と米国オリンピック委員会(USOC)は、連邦裁判所に2つのWebサイト(www.beijing-tickets2008.com とwww.beijingticketing.com)に対する差し止め請求を提出、いずれのサイトも米国東部夏時間の4日午後2時までに閉鎖された。

 これらの不正サイトでは、8日に開幕する北京オリンピックの実在しないチケットが販売され、数百人のユーザーが代金を支払う際に、クレジットカード番号やパスポート情報を伝えてしまったという。

 また、いずれのサイトも、随所にオリンピックのロゴがあしらわれた本格的な作りになっていたという。先週末に不正サイトの1つを調査したという米国Trend Microのセキュリティ研究者、ポール・ファーガソン(Paul Ferguson)氏は、「脱帽するしかない。警戒心を呼び覚ますような要素は何もなかった」と語っている。

 アリゾナ州フェニックスの連邦裁判所は7月23日、IOCとUSOCから出されていたwww.beijing-tickets2008.comに対する差し止め請求を認める決定を下した。IOCとUSOCは8月4日、www.beijingticketing.comについても同様の請求をサンフランシスコの連邦地裁に提出した。

 Ferguson氏は、今回のチケット詐欺について、「事前に予測されていたこと。オリンピックのような大きなイベントでは、この種のサイトが必ず出現する」と語っている。

 さらに同氏は、北京オリンピックが閉幕するまで、同様の事件が繰り返されるとの見方を示している。「例えば、“金メダル獲得”といった大きなニュースにリンクを埋め込んでクリックさせるなど、ソーシャル・エンジニアリングを目的としたスパムが出回ったとしても驚くには当たらない。また、この週末に中国西部で発生したような事件が再発し、市民の間に不安が広がるようなことになれば、それにつけ込む者も出てくるだろう。こうした人物は、どのようなニュースが人々の関心を集めるかを知り尽くしている」(Ferguson氏)

(Gregg Keizer/Computerworld米国版)

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