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2008年08月04日(月) 17時49分

8日からタクシーが一斉値上げ 燃料高騰で初乗り50円増(和歌山)紀伊民報

 田辺地区(田辺市、白浜町、みなべ町)に事業所を置くタクシー会社全8社が8日から運賃を引き上げる。小型、中型車の初乗り運賃(1・5キロ)は現在より50円上がり、中型車では550円になる。同地区では安値による乗客争奪戦をしてきたが、タクシーの燃料に使われている液化石油ガス(LPガス)の高騰を受け「経営が圧迫され、耐えきれない」と一斉に値上げに踏み切った。
 タクシーの運賃は、国土交通省が地区ごとに数段階の料金体系を設定しており、各事業所はその中から選ぶ仕組み。紀南(みなべ町以南、22社)では、小型、中型など車種別に、上限運賃から下限運賃までの7段階の料金体系を設定している。多くの事業所が上限運賃(中型車で初乗り550円)を採用しているが、田辺地区では2003年の龍神ユニオンタクシー(田辺市上の山)の新規参入をきっかけに競争が激化。すべての事業所が中型車の初乗りが500円、小型車で480円という7段階中2番目に安い料金体系にしていた。
 しかし、近年、原油値上がりに伴ってLPガスの価格も上がっており、石油情報センター(東京都)によると自動車用LPガスの一般小売平均価格は、2008年7月現在、1リットル当たり97・9円で、03年7月(61・7円)と比べ1・6倍に高騰。田辺・白浜の8事業所は「燃料価格の高騰に対応したい」「乗務員の給与が低く労働条件を改善したい」などとして、7月28〜30日にかけて国交省に値上げを申請。1日付で認可を受けた。
 今回の値上げにより、初乗り運賃は中型、小型ともに50円増で、中型550円、小型530円になる。距離によって加算される運賃も上がり、中型では現在331メートルごとに90円加算されるところが、301メートルごとになる。
 運賃水準は龍神ユニオンタクシーが参入する以前の状態に戻った格好で、同社の稲崎雄三社長は「燃料価格が上がる中で乗務員の賃金は全然上がらず、このままではやっていけない」と話している。

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