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2008年08月01日(金) 08時26分

グッドウィル廃業 登録スタッフ 6割が転職先確保フジサンケイ ビジネスアイ

 人材派遣大手のグッドウィル・グループ(GWG)の子会社で、日雇い派遣最大手のグッドウィル(GW)が31日、廃業した。違法派遣、給与からの不透明な天引き、労災隠しなど相次ぐコンプライアンス(法令順守)の軽視が最悪の結果を招いた。

 GWは、来週中に東京労働局に事業廃止届を提出。その後はスタッフへの給与支払い、不当天引き費用の返却、社員・スタッフの転職支援など残務処理で当面は存続する。

 登録スタッフ約6000人のうち、「他社に登録した人も含めて転職が決まった人は約6割。自分で職を探すとして斡旋(あっせん)を断った人が約1500人」(GW広報)で、社員4200人には、派遣会社やIT企業など270社から求人があるという。

 同日、派遣で働くスタッフで組織する「派遣ユニオン」の組合員ら約30人が東京・六本木のGWG本社前で雇用確保などを訴えた。関根秀一郎書記長は「ワーキングプア拡大の一因はGWにある。創業者の折口雅博氏はしっかりと説明、謝罪すべきだ。多くの問題が未解決のままの廃業は許されない」と話した。

 折口氏は今年3月、GWG会長を退任。同社は外資の支援で再建を進め、事業の中核である技術者派遣や海外での派遣業務に注力する方針だが、信用回復には時間がかかりそうだ。

 違法派遣や労災隠しなど問題が相次ぐ日雇い派遣に対し、政府は臨時国会に労働者派遣法の改正案を提出し、原則禁止を目指す。1999年の派遣対象業務の原則自由化後、急拡大した日雇い派遣の市場規模は、大幅に縮小する見通し。

 原則禁止で雇用期間の長期化や直接雇用が進めば、これまで不安定だった労働者の待遇改善が期待される。ただ日雇いに代わる職探しが難航するケースも予想され、ハローワークなどを通じた就業支援が課題となる。

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