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2008年08月01日(金) 12時21分

子育て多忙ママの護身術体験オーマイニュース

 不穏な事件が続いていることもあり、最近、ごく簡単な護身術講座を受けました。

 高齢出産の兼業主婦ママで、多忙さを理由にまともな運動をしなくなってかなりの歳月が経ちました。もうすぐ2才の子供は着実に体重を増やし、抱っこを続ける間に腕力もメキメキとあがってきてはいますが、当然、腕力だけでは男性には勝てません。

 万が一の時、どうせ襲われるにしても、せめて一矢報いたいという思いから、過去に琉球空手を訓練したことがあるという人物に、即席講座を開いてもらいました。

 この方面の運動といえば、筆者は十年ほど前、空手、太極拳、合気道をほんのちょっとずつかじったことがありました。

 どれも意味もわからず型を繰り返す練習を積み重ねます。それまでダンスばかり習っていたためか、「いかに美しく動くか」という不純な意識が頭から拭い去れず、マジメに強くなりたいと思っている生徒さんたちとの温度差が若干辛かったことを覚えています。

 いずれも数カ月で忙しくなり、飽きっぽい性格に加えて、休んだ後は居心地のあまりよくない道場になんとなく戻りづらく、続いたことがありませんでした。仕事などの事情があったとはいえ、道場からフェードアウトするのも非常にバツが悪いものでした。

 そんな10年前の中途半端な話とは違い、今回は知らない悪漢から自分や子供を守るためという目的がはっきりしています。だいたい子育て一本槍で、体型維持の優先順位はほぼ最下位に転落し、「見て美しい」という基準などはこの際どうでもよくなってきているのもプラス材料でしょう。

 言われてみれば当然のことにも思えますが、護身術は、いわゆるストリートファイトに該当するとのことです。

 まずはパーソナルスペースを測ります

 「他人が近づくと緊張する距離」です。

 リラックスして立ってください、といわれ、そこに講師が歩いて近寄ってきます。不思議と、誰かが一直線に歩いてくると、ある地点まで近づいたところで体が無意識に反応し、思わず後ずさってしまう距離があります。その空間がパーソナルスペースなのだそうです。

 このパーソナルスペースに侵入してくるのは2種類の人、つまりこれも当然といえば当然なのですが、「攻撃の意図のある人」「攻撃の意図のない人」に分かれます。

 護身術で重要なのは、とにかく冷静になり、相手の状況を見定めること。パーソナルスペース進入があり、相手の意図が見えない場合は、さりげない日常的な仕草に見えて、それでいてすぐに攻撃・防御態勢に移ることのできる「姿勢」をとり、観察を続けます。

 もし「相手の悪意」が決定的になってしまった場合、ここでも「観察」と「状況判断」が重要だそうです。

 具体的に手など体の一部を捕まれたりした場合の対応は、合気道や太極拳でならった基本の型と同じ対応でした。道場では仲間の生徒と「せーの」といって形式的に練習してましたが、「理性を失ったストリートの悪漢」(かなり怖い)を演じる講師相手に練習してみると、十年前のたった数カ月の練習でも、基本の型を体が思い出すのを体感しました。

 太極拳や合気道は、いわゆる「気」を活かすようで、相手がぶつけてくる力を鏡のように相手に返す技を磨くため、小柄だったり力のない、特に女性にぴったりの武道だと昔教わりました。

 そして十年前にほんのちょっとかじっただけでも、同じ型を何度も繰り返すことで実際に体が動きを記憶するということも実感できました。

 不安の多い世の中です。子供を守る責任を負ってしまった母親が気軽にうけることのできる護身術講座、これからもっと身近なところで増えてくるといいなと思いました。

(記者:ヒルトン 香織)

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