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2008年07月31日(木) 00時00分

すかいらーく創業家社長に退任要求 投資会社2社産経新聞

 外食大手のすかいらーくの主要株主である投資会社2社が、創業家一族の横川竟(きわむ)社長に退任を求めていることが30日、分かった。すかいらーくは、投資会社2社から出資を受け、平成18年に国内最大規模のMBO(経営陣による企業買収)を行い、経営改革を進めてきたが、業績回復が遅れており、退任を迫ったものとみられる。これに対して、すかいらーくは飲料大手のサントリーに出資を要請、サントリーの支援を受けながら再建を進めたい意向だ。

 投資会社は野村ホールディングス傘下の投資会社「野村プリンシパル・ファイナンス」と英投資ファンドの「CVCキャピタルパートナーズ」。昨年末時点で野村プリンシパルが約61.6%、CVCキャピタルが約35.7%のすかいらーく株を保有している。

 すかいらーくは、MBOで一時的に上場を取りやめ、迅速に経営を改革したうえで21年中に再上場する方針を掲げている。しかし、18年12月期に最終損益が111億円の赤字に転落、さらに19年12月期には最終赤字が130億円に拡大した。こうした中で、21年中の再上場によって、早期に投資資金を回収したい投資会社側が、横川社長の退任を迫った格好だ。

 MBOを実施した際の契約では、投資会社側が社長を退任させるには、MBOに際して約2700億円もの資金を提供したみずほ銀行などを中心とする銀行団の了承が必要とされる。投資会社はすでに、横川社長を解任する意向を説明しているが、銀行側は「しっかりと収益が上がれば誰が社長でもいい。こちらから、ちゃぶ台をひっくり返すようなことはしない」と中立の姿勢を崩していない。

 一方、すかいらーく側は「改革の途上にある」(広報担当)との理由から横川社長続投の意向を伝えている。また、取引関係のあるサントリーに出資を仰ぎ、財務体質を改善したい考えだが、サントリーでは「出資についてはこれから検討する」(広報担当)としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080730-00000987-san-bus_all