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2008年07月31日(木) 19時15分

グッドウィルが廃業スポーツ報知

 人材派遣大手グッドウィル・グループ(GWG)の子会社で、日雇い派遣大手グッドウィル(GW)は31日、事業を廃止した。

 8月初めに東京労働局に労働者派遣事業の廃止を届ける。会社清算に伴う業務や訴訟対応などのため会社は当面存続させるが、相次ぐ違法派遣により、派遣市場から「退場」を余儀なくされた。

 違法派遣や労災隠しなど問題が相次ぐ日雇い派遣に対し、政府は臨時国会に労働者派遣法の改正案を提出し、原則禁止を目指す。1999年の派遣対象業務の原則自由化後、急拡大した日雇い派遣の市場規模は、大幅に縮小する見通し。

 原則禁止で雇用期間の長期化や直接雇用が進めば、これまで不安定だった労働者の待遇改善が期待される。ただ日雇いに代わる職探しが難航するケースも予想され、ハローワークなどを通じた就業支援が課題となる。

 GWGはコンプライアンス(法令順守)の欠如により、訪問介護大手コムスンと日雇い派遣大手グッドウィルを相次いで失い、経営に大きな痛手となる。

 創業者の折口雅博氏は今年3月、GWG会長を退任。同社は外資の支援で再建を進め、事業の中核である技術者派遣や海外での派遣業務に注力する方針だが、信用回復には時間がかかりそうだ。社名の変更や本社移転などで過去と決別し、再生を目指す。

 違法派遣を繰り返したとして今年1月、東京労働局はGWに事業停止を命令。GWは6月、東京簡裁から罰金の略式命令を受けて納付したため、派遣事業の許可取り消しが確実になり、廃業を決めた。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080731-OHT1T00271.htm