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2008年07月31日(木) 00時09分

私大のほぼ半数定員割れ 過去最悪、266校に中国新聞

 今春の入学者が定員を下回る「定員割れ」となった四年制私立大学の割合は前年度から7・4ポイント上昇、半数近くの47・1%と過去最悪になったことが三十日、日本私立学校振興・共済事業団の調査で分かった。

 調査は四年制私大のほぼ全校に当たる全国五百六十五校が対象。定員割れだったのは二百六十六校で、前年より四十四校増えた。定員割れ校の割合は一九九八年の8%から十年間で約六倍となり、少子化が進む中、経営環境が厳しくなっている実態を浮き彫りにした。

 事業団は「ブランド力がある一部大学は経営戦略で定員を増やしているが、多くは規模縮小をしないと将来、淘汰とうたされるだろう」とみている。

 定員規模別の志願倍率をみると「三千人以上」が約十二倍、「千五百人以上三千人未満」が約七倍だったのに対し、「六百人以上八百人未満」は約三倍で、これより少ない規模の私大は三〜四倍程度。

 定員に占める入学者の割合を示す「入学定員充足率」は全体が107%で前年度比2ポイント減。東京が116%で最も高く、南関東と京都・大阪が109%、近畿103%。

 低かったのは四国83%、中国89%、北関東92%の順。北海道は95%、九州は99%で、大都市や規模の大きい私大に進学者が集まる一方、小規模の私大は苦戦するという二極化傾向が続いている。

 入学者は四十七万八千人で前年より七千人減った。志願者数は延べ三百六万三千人で三万九千人の増。一回の試験で同じ大学の複数学部を受験できる制度や地方会場での入試の増加が要因とみられる。

 また短大(三百六十校集計)の定員割れの割合は前年度比で5・3ポイント上昇し、67・5%となり、三年連続で半数以上が定員割れとなる状況が続いている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200807310107.html