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2008年07月31日(木) 00時00分

石州半紙をユネスコ遺産提案中国新聞

 文化庁は30日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が初めて作成する無形文化遺産リストに、日本の候補として島根県の国重要無形文化財「石州半紙(せきしゅうばんし)」など14件を提案することを決めた。

 ユネスコから「傑作宣言」を受けて登録が内定した「能楽」「人形浄瑠璃文楽」「歌舞伎」と合わせ、来年9月のユネスコの委員会で決まる見通し。石州半紙は島根県西部、石見地方の手すき和紙技術で、紙の丈夫さが特徴。江戸時代、大阪商人に帳簿として重用されたことから名が広まった。1969年、国重要無形文化財に指定された。

 ほかの候補は、雅楽や京都祇園祭の山鉾行事など。芸能や染織、祭礼など分野別に選んだ。9月下旬、外務省との連絡会議で政府推薦を決定し、ユネスコに提出する。ユネスコは無形文化遺産保護条約に基づき今回初めて、締約国の代表的な芸能や祭礼、伝統工芸などを集めた「代表一覧表」と、緊急に保護する必要がある「危機一覧表」を作成する。日本の14件は代表一覧表の候補。文化庁によると、候補はおおむね認められる見通しという。

【写真説明】石州和紙の紙すき作業=石州半紙技術者会提供

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200807310040.html