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2008年07月30日(水) 12時02分

フィッシングでネット銀行から現金詐取 全国初の摘発、警視庁産経新聞

 金融機関を装ったサイトを作り、顧客に暗証番号を入力させる「フィッシング」と呼ばれる方法で、インターネット銀行の口座から現金をだまし取ったとして、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターと王子署は、不正アクセス禁止法違反などの疑いで、松山市束本、無職、藤田浩史容疑者(23)を逮捕した。ネット銀行の口座から現金をだまし取るフィッシング詐欺の摘発は全国初。
 調べでは、藤田容疑者はネット銀行の「イーバンク銀行」から「重要なお知らせです。下記のURLをクリックしてください」というメールが送られたように見せかけ、不特定多数に送信。銀行のホームページを似せて自分で作ったサイトに入力させる方法で得たパスワードや暗証番号を使い、昨年12月10日に横浜市の女性(31)の口座から39万円をだまし取った疑い。
 また、今年3月26日には同様の手口で、東京都杉並区の男性(37)のゆうちょ銀行の口座から119万円をだまし取った疑い。
 この2件を含め、藤田容疑者は昨年10月15日から今年4月30日までの間に、イーバンク銀行とゆうちょ銀行の計20口座から約1170万円をだまし取ったとみられている。フィッシング以外にも、ファイル共有ソフトで入手したデータを使って新銀行東京の顧客口座から120万円をだまし取った疑いもあり、同課は裏付けを進めている。
 藤田容疑者は「中学時代からネットが好きで、ネット犯罪に興味があった。楽して金を稼げるネット詐欺をやろうと思った」などと供述。だまし取った金はテーマパークやキャバクラでの遊興費に使っていたという。

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