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2008年07月30日(水) 19時49分

<北京五輪>最終調整地は日本…26カ国、全国で合宿毎日新聞

 日本の五輪代表チームが北京入りを始めるなか、各国の代表チームが続々と日本入りしている。少なくとも北海道から熊本県まで19都道府県で26カ国のチームが合宿する。チーム関係者には環境や食事、政情への不安がつきまとう中国より、時差1時間の日本でぎりぎりまで最終調整しようという思惑がのぞく。受け入れる地域には「一流選手に接する機会が持てる」と歓迎ムードが広がっている。

 千葉県のJR京葉線新習志野駅に午前9時前、外国人が次々と降り立ち、近くの千葉県国際総合水泳場に向かう。リュックにサンダル、サングラスのラフな格好。北京五輪ニュージーランド水泳チームの選手たちだ。

 「日本はとてもすてきな国。選手は全員ハッピーよ」。ヘッドコーチのジェーン・キャメロンさん(61)が人懐っこい笑顔を見せた。練習ではプールサイドで厳しい声を飛ばしている。64年東京五輪の銀メダリストだ。チーム20人は28日に来日。8月5日まで合宿し、北京入りは開幕直前だ。コーチは「向こうはにぎわいがすごくてのみ込まれてしまう。日本は静かでリラックスできる」と強調する。

 個人メドレーのヘレン・ノーフォーク選手(27)は「日本は野菜も果物もおいしい。中国の食事は少し不安。北京には米国人経営のレストランがあるというので、そこで食べます」。同水泳場は昨年8月に世界競泳の舞台となり、現在、イスラエルとスウェーデンのチームも合宿する。

 和歌山市では8月4日から10日間、フランス陸上チームが合宿する。昨年の大阪・世界陸上の際も同市で合宿した。今回は上海で合宿予定だったが「治安に問題が生じた」との理由で変更したという。パリの聖火リレーで妨害活動があり、中国人の対仏感情の悪化を考慮したとみられる。

 オランダ柔道チームが合宿するのは、岡山市。関係者には「トップレベルの選手に接するいい機会だ」「スポーツの振興につながる」と歓迎ムードが広がる。市によると、市内の有名ホテル支配人とオランダの柔道連盟関係者が知り合いだった縁で、誘致が実現したという。

 上海や大連への直行便がある富山市には、ポーランドの水泳チームが滞在する。00年の国体のメーン会場になった室内プールや宿泊施設が、富山空港に隣接しており、移動に便利な点が評価された。【井上英介、村上尊一】

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