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2008年07月29日(火) 19時40分

中国がプレスセンターでのネット規制を認めるスポーツ報知

 中国外務省の劉建超報道局長は29日の定例記者会見で、北京五輪を取材する国内外の報道陣の拠点となるメーンプレスセンター(MPC)で一部の海外ウェブサイトにアクセスできない問題に関して、「正常な情報」だけがアクセス可能だと述べ、ネット規制実施を事実上認めた。

 劉局長は「正常な情報」の具体的内容には言及しなかったが、民主化運動や宗教問題などに絡んで中国当局にとって都合の悪い情報へのアクセスは、五輪施設であっても規制している実情が浮き彫りになった。

 劉局長はアクセス規制対象の具体例として、中国が非合法化している気功集団「法輪功」のサイトを挙げ「法輪功は邪教組織。彼らの宣伝情報は当然禁止される」と明言。「正常な情報」については「記者も観衆も選手もアクセスを保証されている」と強調した。

 しかし、英BBC放送の中国語サイト、チベット支援団体や国際人権団体組織のサイトなどがMPCで29日も閲覧できなかった。

 これについて、国際オリンピック委員会(IOC)のケバン・ゴスパー委員は同日、共同通信などの取材に「中国側は『五輪期間中は(どのサイトにも)フリーなアクセスができる』という保証をしていた」と指摘。事態改善へ北京五輪組織委員会と話し合う考えを示した。

 中国では、日常的に欧米ニュースサイトの閲覧などが規制されている。(共同)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080729-OHT1T00231.htm