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2008年07月29日(火) 21時41分

中学で教諭刺され重傷 18歳卒業生を現行犯逮捕中国新聞

 二十九日午後一時半ごろ、愛知県知立市広見二丁目の市立知立中学校の教室に若い男が侵入し、同校教諭の神谷佳久かみや・よしひささん(34)=同県安城市御幸本町=の胸や背中をナイフで刺した。病院に運ばれたが傷は肺に達しており重傷。命に別条はないという。駆け付けた安城署員が渡り廊下付近で男を発見、刺したことを認めたため殺人未遂の現行犯で逮捕した。

 同署によると、男は同校の卒業生で知立市のフリーターの少年(18)。神谷さんは二年生時の担任で、少年は調べに「厳しく指導されて対人恐怖症になった。その恨みがあった」と供述したといい、同署が詳しい動機を調べている。

 調べでは、神谷さんは吹奏楽部顧問で、校舎二階の被服室で生徒と練習中だった。教室にいた女子生徒(14)によると、練習には約五十人が参加。神谷さんは教室入り口近くで扉に背を向け座っていたところ、少年は無言で入ってきて突然切り付け、逃げる神谷さんを追い掛けたという。生徒たちは逃げてけがはなかった。

 騒ぎを聞き付けた職員数人が渡り廊下付近で、校舎から出て来た少年を取り囲むと、少年は刃渡り約十三センチのナイフを捨てて座り込んだという。

 少年の小中学校の同級生(19)によると、少年は中学二年の時、神谷さんに教室で宿題のことでしかられ、殴りかかったことがあったという。知立中学校の沓名基嗣くつな・もとし校長(58)は記者会見で「少年は在校時に問題行動はなく、神谷さんとの間のトラブルも把握していない」と話した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200807290382.html