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2008年07月29日(火) 13時28分

自転車3人乗り、早ければ来年3月から?オーマイニュース

 警察庁の自転車の3人乗りに関する検討委員会の会合で、3人乗っても安全に走れるようにするための強度基準が7月24日にまとまり、同日、国家公安委員会に提出されました。

 警察庁は2009年3月までに具体的な安全基準を定め、実際に3人乗り自転車の製造・販売を解禁する見込みです。果たして3人乗っても大丈夫な強度とは、どのようなものでしょうか?

 3人乗り自転車については、3月に寄稿した「自転車3人乗り、合法化に向け見直しへ」という記事の中で紹介しています。

 6歳未満の子供用の座席が2人分と、運転するおとな1人が乗るために必要な強度基準について、今回の検討委員会では、主に次の点が求められることになりました。

1. フレームが十分な強度を持っていること
2. ブレーキが十分利くこと
3. 駐輪の際に安定していること
4. 振動などがあってもハンドル操作に影響しないこと
5. 運転の際に、操作性、安定性が確保されること
6. 平坦な路面を走っていても激しく振動しないこと

 他にも強度基準には、実際に乗ることになる幼児の体重や、荷物なども計算に入れられており、幼児用の席にはそれぞれ、最大で25キロの重量がかかることが想定されています。

 子供さんが成長するに従って、実際に運転されるお母さん方の負担重量はますます重くなることになるわけですから、実際に市販する際には、変速機や電動アシスト機能などが付いていた方がいいとも思います。

 3人乗り自転車は、既に業界団体が複数のメーカーに試作車の製作を依頼していて、来年2月までに競輪の補助金で製作する段取りになっています。

 さまざまなモデルが作られることになると思いますが、気になるのがお値段。試作品作りに参加する予定の埼玉県の丸石サイクルが、東京新聞の取材に対し、「7万円前後を目指している」としています。

 実際に来年3月以降、3人乗り自転車を買うことになった場合にも、ただ乗るだけでは済まされないでしょう。検討委員会は、「乗せる幼児に必ずヘルメットを付けさせること」「対人賠償保険に入った方がいい」とも言及しているからです。

 今まで自転車には、自賠責保険のようなものはありませんでしたが、自転車に乗る時に保険に入る必要性があるのかどうかの議論が始まりそうな気がします。

 とりあえず、3人乗り自転車が解禁され、子育て中のお母さん方はひとまず安心されるでしょうが、それ以外の自転車や歩行者にとって新たな交通マナーが生まれることでもあります。「3人乗り自転車を見たら道を空けてあげる」など、安全運転をしてもらうための配慮が求められそうです。

(記者:河村 崇)

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