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2008年07月29日(火) 15時15分

18歳アルバイト少年、出身中学で教諭切りつけ…愛知読売新聞

 29日午後1時半ごろ、愛知県知立(ちりゅう)市広見の市立知立中学校で、吹奏楽部を指導していた同校教諭の神谷佳久さん(34)が、校内に侵入した同中学の卒業生で、市内在住のアルバイト少年(18)に、果物ナイフで背中や胸など数か所を切りつけられた。

 神谷さんは職員室へ駆け込み、病院に運ばれたが重傷。少年は通報で駆けつけた県警安城署員に殺人未遂容疑の現行犯で逮捕された。

 発表によると、少年は同中学の西門から侵入し、職員室などのある校舎とは別棟の技術棟2階被服室で、出入り口の近くに立っていた神谷さんに果物ナイフ(刃渡り13センチ)で切りつけた疑い。当時、被服室には同部の生徒約50人がいたが、けがはなかった。

 少年は逃げた神谷さんを追って被服室を出た後、生徒の悲鳴で駆けつけたほかの教諭3、4人に同棟前で取り囲まれ、座り込んだという。同署員が到着した際も抵抗せず、果物ナイフを捨てて、おとなしく逮捕されたという。

 少年は調べに対し、「(神谷さんは)2年の時の担任だったが、厳しく指導され、対人恐怖症になった。恨みがあり、復讐(ふくしゅう)のつもりだった」などと供述しているという。

 吹奏楽部の女子部員は「みんな悲鳴を上げ、逃げまどった。先生も血だらけになりながら、『みんな早く逃げろ』と声を振り絞っていた」と青ざめた表情で話した。

 また、別の部員は「少年は逃げ遅れた部員たちに笑いながら手を振っていた。みんな恐怖で泣いていた」と声を震わせた。

 同中学には当時、吹奏楽部員のほか、別の部の生徒らも50人以上いたが、隣接する同市役所に一時避難し、無事だった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080729-00000033-yom-soci