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2008年07月29日(火) 15時01分

<NOVA>猿橋元社長、不起訴へ 賃金未払い故意性なし毎日新聞

 経営破綻(はたん)した英会話学校最大手NOVA(破産手続き中)が外国人講師ら計400人に給与を支払わなかったとして、猿橋望元社長(56)らが労働基準法違反(賃金不払い)容疑で書類送検された事件で、大阪地検は猿橋元社長と法人としての同社を不起訴(起訴猶予)にする方針を固めた。当時、同社の経営状態が悪化しており、不払いは故意ではなかったことなどから起訴を見送ったとみられる。

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 大阪労働局は今年6月末、猿橋元社長が昨年9月と10月に支払い期日が来ていた外国人講師や日本人スタッフの給与計約1億500万円を支払わなかったとして、労働基準法違反容疑で書類送検していた。

 NOVAは経済産業省から一部業務停止命令を受けた昨年6月以降、受講生の解約が相次ぎ、資金繰りがつかずに給与の遅配が発生。同年9〜10月の不払い総額は約17億円に達し、被害規模は戦後最大級だった。

 猿橋元社長は調べに対し、不払いの事実を認める一方、「私財を投入して資金調達に奔走していた」と釈明。地検もこうした事情を認め、給与不払いは経営悪化によるもので、故意性はなく、公判請求の必要はないと判断した模様だ。

 一方、大阪地検は今月15日、社員の積立金3億2000万円を無断で別の口座に移し、解約した受講生の授業料返還金に流用したとして、猿橋元社長を業務上横領罪で起訴している。【藤田剛、林田七恵】

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