記事登録
2008年07月29日(火) 16時46分

<フグ偽装>「エツヒロ」一斉捜索 山口県警毎日新聞

 山口県下関市の水産加工会社「エツヒロ」(森敏一社長)が中国で養殖したトラフグを国産と偽って販売していた問題で、県警は29日、同市内の本社や同県長門市の二つの工場、取引先など十数カ所を不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で一斉に家宅捜索した。経営難を背景に会社ぐるみで不正な表示を続けていたとみて、詐欺容疑も視野に刑事責任を追及する。

 同社は3〜6月に中国産の養殖トラフグやアンコウなど計約5トンを刺し身などに加工し「山口県産」「熊本県産」と虚偽表示をして出荷していたことが発覚。農林水産省は今月23日、日本農林規格(JAS)法違反で同社に改善指示を出した。

 県警はその直後から同社がフグを仕入れた東京都内の商社などに任意で事情聴取し、会社ぐるみで不正を行っていた可能性が高いと判断して強制捜査に踏み切った。森社長は会見などで「生産体制の欠陥が結果的に偽装した形になってしまった」と述べ、意図的な偽装を否定していた。

 同社の本社を兼ねる森社長の自宅では午前7時過ぎ、捜査員約10人が捜索を開始。約2時間後に段ボール約10箱分の関係資料を運び出した。森社長も任意同行を求められ、捜査員と共に車両に乗り込んだ。【新里啓一、取違剛】

【関連ニュース】
フグ偽装:農水省、山口の水産加工会社に改善指示
飛騨牛偽装:社長を任意聴取へ 肉の独自鑑定も…岐阜県警
飛騨牛偽装:ワンマン経営の闇、解明へ
飛騨牛偽装:「丸明」本社工場など捜索 岐阜県警
ウナギ偽装:高松の業者も捜索へ 兵庫、徳島両県警が方針

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080729-00000067-mai-soci