記事登録
2008年07月28日(月) 17時50分

太田光殺害予告の犯人逮捕、日本のIT教育にも大きな疑問ツカサネット新聞

日本テレビ系列の番組『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中』などで有名な、爆笑問題の太田光氏に対する殺害予告が2ちゃんねるで書き込まれた。

27日までに逮捕された犯人は、30代の男性であり警察に冗談のつもりだったと話している。

「爆笑問題の太田光を殺します。確実に殺します。必ずやります。包丁で刺し殺します。ご期待ください。これは犯行予告だ」と言う内容は支離滅裂だ。誰も、こんな犯罪は期待していない。

『太田光の私が総理大臣になったら』は、お笑いのネタを散りばめる以外にも、ネット犯罪の問題に対して、度々注意の意味もこめて番組内で取りあげていたし、子供への影響にも言及していたわけで、途中で冗談がすぎて脱線する事があっても、毎回まとめは常識的な流れに落ち着いていた。

犯人の男性にとって、ネットの世界とは何だったのだろうか?
秋葉原の殺傷事件以降の犯罪予告は、どれも、自滅的な感じを受ける。ネットの世界も、現実の世界も、自分の思い通りに統一など出きるわけがない。ネットで犯罪予告をする犯人も悪いが、日本のIT教育も、外国と比べた場合に足りない部分があるとしか思えない。日本のIT教育やネット教育は、北欧諸国に比べて、やはり配慮が足りない部分や急ごしらえの部分があったのではないだろうか?

日本の国会議員や市議会議員の一部には、「ネットは架空の世界なんだから、そんなところで、いくら書き込み発言をしても、世の中は変らないよ」と冷淡に言う人もいる。私は、ホームページを作成しない中年の某市議会議員の人に理由を尋ねたことがある。その返事は、「高齢者は議員のホームページを見ないし、ネットでは世の中は変らないから」と言うものだった。

教育委員会についても、某県の教育委員会に聞くと、「子供達は忙しいから、義務教育過程で、IT教育まで充実させるのは難しい」と言う返事が返って来た。

日本社会全体を見た場合に、私達は、IT教育について再度考え直すべきではないだろうか。日本流のIT教育は、北欧と比べて何が違ったのか? そして、個人のネット犯罪での予告とは別に、社会保険庁や、大分県教育委員会のように、重要なデータを改ざんする犯罪が起きた組織の浄化方法も同時に検討しなければ、日本は真のIT大国にはなれない。

北欧諸国は、IT教育の成果で行政組織の透明度も高くなった。

しかし、日本は、コンピューターを使った犯罪やデータ改ざんが、役所の中でも行なわれている。いくら、最新のコンピューターを導入しても、それを使うのは人なのだ。

北欧諸国やアイスランドなどでは、国民生活の向上にIT教育が重要視されていて、誰もが手軽に安価にネットを利用できる環境を当然だと考える一方で、ネット世界での規則やモラルを子供の時代から、しっかり教えている。

おろかな犯罪予告は、権力で国民を統制しようとする人々にきっかけを与えるだけだ。日本のIT教育のあり方を変えるには、国会議員、市議会議員、有識者会議から、IT教育についての考えがない人は、退場を頂くか、再教育を受けてもらう事も必要だ。

資源が少ない日本が、いつまでも真のIT大国になれないとしたら、それは計画や教育にも問題があると言う事だ。末端で捕まる犯罪予告者の裏には、多くの矛盾も同時に潜んでいるのだ。

日本のIT教育は、総合的には世界で上位とは言えないのではないだろうか。繰り返されるネットでの犯罪予告や、大分県などで試験結果のデータ改ざんが行なわれていたようでは、日本は真のIT大国にはなれない。


関連記事:
オオカミ少年現象にならねばいいが

(記者:日暮影太郎)

■関連記事
日暮影太郎記者の書いた他の記事
「社会・社会問題」カテゴリー関連記事

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080728-00000005-tsuka-soci