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2008年07月26日(土) 08時03分

堀江被告 一度も出廷せず “寵児”の影なし産経新聞

 “時代の寵児(ちょうじ)”としてもてはやされた元ライブドア(LD)社長の堀江貴文被告(35)。25日の控訴審判決で東京高裁は、懲役2年6月の実刑を言い渡した1審判決を支持した。

 堀江被告は、控訴審公判をすべて欠席し、判決のあった25日も東京にいなかったという。かつてはメディアへの露出を繰り返した堀江被告だが、最近は時折、週刊誌などで近況が報道されるだけで、もはや“過去の人”になっている。

 弁護人によると、堀江被告は、弁護人に「行ってきます。よろしく」と言い残して東京を離れたという。昨年3月の1審判決後、テレビ出演して判決の不当性を訴えた姿とは対照的だ。

 最近の堀江被告は、週刊誌などで時折、女性関係や夜の歓楽街を出歩く様子の記事が出るものの、露出度はかつてに比べて格段に落ちている。

 関係者によると、堀江被告は、「勝ち組」の象徴とされた東京・六本木ヒルズに現在も居を構える。知人と食事やゴルフの練習をする日々だという。

 支援者の招きで、平成17年の衆院選で出馬した広島に赴くこともあった。海外旅行は認められていないが、保釈条件の許す限り招きには応じているという。

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 ■個人株主「詐欺師の本質変わってない」

 東京地裁では、ライブドア(LD)の個人株主約3300人が堀江貴文被告らに計約200億円の損害賠償を求めた民事訴訟が続いている。刑事裁判で無罪主張を続け、民事でも責任を認めることのない堀江被告に、原告は「投資家を欺いた“詐欺師”の本質は変わっていない」と改めて怒りの声を上げている。

 原告の一人の無職男性(63)=茨城県=は、退職金で株式への投資を始めた。LD株を購入したのは、事件発覚直前の平成18年1月。自信に満ちた表情で事業展開を語る堀江被告の姿に、「まだ成長が望める」と感じたという。

 まもなく事件が発覚し、約270万円分購入した株は紙くず同然に。事件のあおりで、ほかの新興企業株も下落。合計で1600万円もの資産を失った。

 男性は「家族に申し訳なくて」とため息をつく。

 控訴審で堀江被告は「株式市場への不信を招き、悔やんでも悔やみきれない」との上申書を提出。だが、男性は「裁判を有利に進めようとしているだけだ」と、さめた目で見ていた。


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