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2008年07月26日(土) 10時00分

【トレンド】R35に続くか!? 「世代」モノのコンピレーションnikkei TRENDYnet

100万枚突破の『R35 Sweet J-Ballads』

【詳細画像または表】

 「もう一度、妻を口説こう。」のキャッチフレーズと共に、90年代のヒット曲を集めたコンピレーションアルバム『R35 Sweet J-Ballads』。同作が、今年の4月で100万枚もの売り上げを記録した。CDのヒットを受ける形で、槇原敬之、JAYWALK、classら、コンピレーションに参加していたアーティストらが出演したイべント「LIVE!  R35 〜もう一度、妻と歌おう。」も5000人の集客を記録、追加公演まで行われるほどの大盛況を収めた。

 今年6月には、コンピレーションCDをコンセプトにした史上初のドラマ「R35〜もう一度。..〜」が放送されるなど、『R35』ブームはあらゆる方面に飛び火し、もはや現象と言ってもいいほどのムーブメントとなった。

 このコンピレーションのヒットを受けてか、さらに別の世代をターゲットにしたCDが登場しはじめている。その世代とは、R40。つまり40歳以上だ。経済的な余裕はありながら、仕事と結婚の狭間で揺れ動く女性の姿を描いたTBS系のドラマ『Around 40〜注文の多いオンナたち〜』も好評のうちに終わり、“アラフォー”=40歳前後の世代が注目を浴び始めている時期でもある。音楽業界も、その動きをキャッチし、アラフォーおよびR40マーケティングを進めているようだ。

モノにこだわり続けた世代に向けた『R45』

 まずご紹介するのは、ユニバーサル・ミュージックから7月9日にリリースされたアルバム『R45』。こちらのキャッチフレーズは、“ときどき、オトナを脱ぎましょう。“というもの。ボーイズ・タウン・ギャング「君の瞳に恋してる」、ボズ・スキャッグス「トワイライト・ハイウェイ」、ティアーズ・フォー・フィアーズ「ルール・ザ・ワールド」など、洋楽のヒット曲を集めた作品だ。“古きよき洋楽”をコンパイルしたこちらのアルバムが、どのような意図を持って作られたのかを、宣伝担当の永浜敦子氏に話を聞いた。

「30代後半〜50代前半までの層をターゲットにした商品が成功しています。音楽業界のターゲットで一番元気な層が実はR45世代。“昔子供だった大人“は、モノにこだわり続けた世代ということもあって、この層を意識した商品が作りたかった」と永浜氏。本作のうまみは、“70年代〜80年代にかけて青春時代を味わっていた層”が骨のズイまで懐かしさに浸れることなのだそう。

“ごほうびアルバム”の『Around 40〜アラフォー〜』

 続いて紹介したいのが、ソニー・ミュージックが今年の秋にリリース予定の『Around 40 〜アラフォー〜』。本作のキャッチフレーズは“自分へのごほうびアルバム“。主に女性をターゲットにしたアルバムだ。80年代には“新人類”扱いされ、結婚できないと“負け犬”と呼ばれる、それでも“頑張れてしまう”女性に対する応援を込めて作られているのがこのアルバムなのだそう。宣伝を担当しているSMER広報の木村麻里子氏はこう語る。

 「昨年から、“アラサー““アラフォー”という言葉が目に付くようになってきましたが、今年に入ってTBS系ドラマ『Around 40〜注文の多いオンナたち〜』の放送がきっかけとなって女性の間ではアラフォーの生き方が話題になっているのを実感しました。このコンピレーションを通して、リアルなアラフォーたちの“頑張り”が、男女・世代問わず理解されると嬉しいと思っています」。こちらの作品は現在、80年代〜90年代の邦楽限定という条件で、収録曲をネットで募集中だ。

 どちらの作品にも共通して言えるのは、40代以上の青春を狙っているという部分だろう。『青春歌年鑑』、『僕たちの洋楽ヒット』など、青春をキーワードにしたCDはこれまでも数多くリリースされているが、大きな違いはターゲットの年齢を具体的に絞り、極端な差別化を図ろうとしている点なのではないだろうか。音楽リスナーとして現役の気持ちがある世代を狙っている部分も、単純な"懐かしモノ"以上の効果を生みそうだ。音楽市場でのR40マーケティングは、R35に続くブームにまで発展するのか? その波及の様子にも、大いに注目したいところだ。

(文/澤田大輔:Spoo!  inc.)

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