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2008年07月25日(金) 21時10分

地デジ普及は「サッカー」&「F1」が鍵?レスポンス

日本では2011年の地上波アナログ放送終了まで3年となったが、イタリアでも現行では2012年11月30日をもってアナログが終了することになっている。

イタリアで地上波デジタル放送が開始されたのは、日本と同じ2003年。放送方式は日本と違い、欧州各国で一般的な「DVB-T」方式が採用された。

当時全国の主要街道沿いには、政府による告知キャンペーン看板が一斉に設置された。合わせて、デコーダー購入に普及奨励金が出る制度も実施された。こうした熱心なプロモーションの背景には、当時のシルヴィオ・ベルルスコーニ首相がイタリア民放テレビ局のオーナーであることと関係していたと思われる。

2007年の政令に従い、今年初めからは電器店で販売されるアナログテレビ受像機に「単体ではデジタル放送が映らない」旨の表示が貼られるようになった。

地上デジタル放送局で構成する業界団体『DGTVi』は5月、チューナー内蔵テレビやチューナーが少なくとも1台ある家庭が580万世帯に達し、デジタル放送全体の視聴率も4.8%に上昇したと発表した。

ただしそうした数字とは別に、一般的イタリア人による地上波テレビ放送に対する関心が今ひとつなのも事実だ。

理由としては、有料衛星放送の普及がある。人々の間には、「衛星さえあれば、地上波デジタルはとくに要らない」(30代男性)といった意見が多い。

イタリアで最も視聴者の多い衛星局『スカイ』は、地上波デジタル開始と同じ2003年の設立。一般的プランで月額63ユーロ(約1万円)の受信料を要する。しかし、イタリア人の多くが興味をもつカルチョ(サッカー)やF1中継の充実を武器に契約者数を伸ばしてきた。ちなみに今年3月時点の契約者数は450万世帯。

こうした状況を受けて、すでに一部の地上波デジタル放送局は、追加カードを購入することでより充実したサッカー中継が観られるサービスを導入。視聴者のさらなる獲得を始めた。

イタリア版地上波デジタルが人々の関心を集めるには、いかに衛星局を超えたスポーツ中継を提供できるかが鍵となるようだ。

《レスポンス 大矢アキオ》

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