記事登録
2008年07月25日(金) 13時44分

【ストーカー判事初公判(5)】被害女性への恋愛感情すべて認める 「強く反省」と友人弁護士産経新聞

 《下山被告の実弟への証人尋問に続き、この日2人目の証人として、友人である男性弁護士が証言台に立った。下山被告は目を閉じたままで、弁護士に視線を送ることはなかった》

 弁護人「あなたは下山被告と同じ弁護士ですね?」
 友人の弁護士「はい」 

 弁護人「下山被告と友人になったのはいつ、どのようにですか」
 友人の弁護士「昭和47年、1972年に予備校の寮で一緒になりました。18か19歳のときです」

 弁護人「大学受験に失敗して、浪人生活をしていて寮で知り合ったんですね」
 友人の弁護士「はい」

 弁護人「1年間?」
 友人の弁護士「寮は1年間です」

 弁護人「かなり親しくなったのですか」
 友人の弁護士「500人くらい寮にはいましたが、部屋が近くて親しくなりました」

 《下山被告は目を閉じたまま。時折、何かを思いだすかのように顔を上げた》

 弁護人「大学にいってからも親しかったのですか」
 友人の弁護士「はい、司法試験も下山被告の方が勉強が進んでいて、教えてもらっていました」

 弁護人「下山被告の結婚式に呼ばれ、披露宴にも出ていますね? そこにはどんな人たちが集まったのですか」
 友人の弁護士「予備校の同期、寮友たちが集まりました」

 弁護人「浪人生活で親しくなった人たちが披露宴に出たのですね?」
 友人の弁護士「はい」

 弁護人「あなたが弁護士になってからも連絡は取りましたか」
 友人の弁護士「回数は激減しましたが、ときどき連絡は取り合ってました」

 弁護人「こうした刑事事件で、弁護士の口から詳細を明らかにしていいものか、あなたとも話し、悩みました。だが、あえて質問します。先ほど証人の弟さん(下山被告の実弟)にも質問しましたが、借金の件を聞きます。あなたに被告が借金を頼んできたのはいつごろでしたか」

 《下山被告が目を閉じたまま、顔を上げた、みけんにしわを寄せ、険しい表情だ》

 友人の弁護士「10年ほど前です」

 弁護人「いくら?」
 友人の弁護士「50万円ほどだったと…」

 弁護人「借金の理由は何でしたか」
 友人の弁護士「聞かなかったです。話せば長くなりますが、予備校の寮は特殊な社会で、挫折をした一方で希望を持っている人の集まり。それでいてライバルでもあります。普通の寮とは違い、互いに恥部を見せ合うような濃密な関係になる。濃密な関係だからこそ、借金の理由は聞かなかったのです」

 弁護人「お金は返してくれましたか」
 友人の弁護士「はい」

 弁護人「借りたのは1回でしたか」
 友人の弁護士「何回か…10回くらい…。最後の方はさすがに理由を聞きました。さすがにおかしいなと」

 弁護人「それで初めて、過大なローンでマンションを購入したことを聞かされたのですね?」
 友人の弁護士「はい」

 弁護人「どのように聞かされましたか」

 《下山被告が落ち着きなく肩を揺すった。目は閉じたまま。またみけんにしわを寄せ、険しい表情で顔を上げた》

 友人の弁護士「予備校時代の友人3人で下山を呼び出しました。『理由を言え』と。それで聞きましたが、(ローンの)額が額でしたから、われわれではどうにもならんと。当時、健在だった大阪のお父さんに頼るしかない、と話しました。なんなら大阪まで、われわれも一緒に行ってもいいと」

 弁護人「被告に会ったのは平成13年11月11日でしたか」
 友人の弁護士「多分そのころです」

 弁護人「手をさしのべたわけですが、被告は、その後どうしましたか」
 友人の弁護士「次にみんなで会う日取りを決めていましたが、その前に下山から電話があって、『自分で父に話す』と言いました。だから、2度目に会うことはしませんでした」

 弁護人「その後、(ローンの件を)どうなったか確認しましたか」
 友人の弁護士「今思えばうかつだったが、しませんでした。(下山被告の)父が…規模は知らないが社長をやっていると聞いていたので、何とかなったのかなと…。確認しておくべきだったと後悔しています」

 《今回の事件と借金は直接の関連はないが、友人として親身にフォローすべきだったと考えているようだ》

 弁護人「今回の事件はどうやって知ったのですか」
 友人の弁護士「寮友からの電話です。自分の携帯に、1人は宮崎、1人は横須賀から立て続けに電話がありました。『下山が逮捕された』と。友人であるわれわれも何とかしないと、と思い弁護人を引き受けました」

 弁護人「当初は、下山被告が恋愛感情は否認しているという報道でしたね」
 友人の弁護士「恋愛感情もすべて認めております。あの(下山被告の)陳述書は思い切って出したもの。反省していないと書けません。彼(下山被告)の今回の反省は確信しています」
     =(6)に続く

【関連記事】
【法廷ライブ】「とっても気持ちいいいよ…」ストーカー判事の初公判【全詳報】
判事をストーカーに変貌させた“執着心” カギは「異動直前」
「もうお風呂入った?」ストーカー判事メール【全詳細】
異常メール連発…嫉妬丸出し55歳の妄想 起訴のストーカー判事
ストーカー判事起訴、今後どうなる? 一部否認、裁判官の身分は憲法で厚く保障

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080725-00000948-san-soci