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2008年07月25日(金) 15時39分

出版社は生き残れるかツカサネット新聞

「あの文学の薫り高き『伊豆の踊り子』が、なんとまぁ・・・」

学生時代、ノーベル文学賞作家の作品を他の作品とは違った目で見、重く感じられた方もおられよう。ところが最近になって新聞広告欄をにぎわすその顔は、まさにライト・ノベル級のイラスト。いわゆる『ジャケ買い』が流行っている。

中身は同じでも、外見が違えば興味を抱く。読んだ感想は各個人様々であろうが、人気が上がっていることから言えば、面白いと感じているらしい。理由はどうあれ、よい事である。出版社も救われるし、若者の活字離れにも歯止めがかかる。一石二鳥というわけだ。

しかし、その一方で雑誌の売り上げは伸び悩んでいる。脱出方法として、豪華付録に走っているが、これは出版社の費用負担が大きい。各誌、こぞって付録合戦となり、読者は中身より、付録で選ぶこととなるだろう。そうすれば、先は見えているのではなかろうか。今のうちに、新たな方向を模索すべきである。中身で勝負しなければ、沈没する。

われわれ購読者は、本を選ぶとき、まずは見た目である。もちろん宣伝文句や、イメージの色も含まれる。そして手に取り、重さも考慮に入れる。付録で確かな手ごたえを与えるより、その内容についての宣伝文句で購買意欲を高めさせるほうが利口な手段である。

では、どういったものが売れるのか。不況の世の中、われわれが真に求めているのは心と体の充足だ。上辺だけのきらびやかさはいらない。いかに実用的で、興味をそそられるか。文学作品を例にとってみよう。見た目、内容共に読者を癒す。実用的かと問われれば、人生の指針となることもあるかもしれない。そのときに光を放つ。また、漢字や文化を学べる一面があるだろう。一時的な効果ではなく、長期的効果がある。

これはひとつの提案であるが、地域性を活かしたものや、文化の見直し的なものを取り入れてはどうだろう。もちろん、新鮮さが必要であるから、温故知新を心がける。なかなか一筋縄で解決しない問題であるが、どこかに突破口はあるはずだ。それを読者から聞き出すのも出版会社が真に読者要求を満たすひとつの手段であろう。

(記者:木楽白楽天)

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