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2008年07月25日(金) 15時59分

判事「女性に恋愛感情」 懲役6月求刑 ストーカー認める 甲府地裁初公判産経新聞

 山梨県内の裁判所に勤める部下の女性職員にメールを繰り返し送り、付きまとったとして、ストーカー規制法違反罪に問われた宇都宮地裁判事、下山芳晴被告(55)の初公判が25日、甲府地裁(渡辺康裁判長)で開かれた。下山被告は「すべて間違いありません」と起訴事実を認めた。検察側は「現職裁判官によるストーカー行為で、司法に対する信頼を損ねた」として懲役6月を求刑し、即日結審。判決は8月8日に言い渡される。

 最高裁などによると、現職裁判官が刑事裁判の被告になったのは平成13年に児童買春禁止法違反罪で有罪判決を受けた東京高裁の判事以来で、極めて異例。

 下山被告はグレーのスーツと水色のネクタイ姿で入廷。検察官が被害者の供述調書を読み上げると、目を閉じて深くため息をついた。被告人質問では「深く反省している。被害者を一人の女性とみて恋愛感情を持っていた。最後の一線を越えてしまった」と述べた。

 起訴状によると、下山被告は、甲府地、家裁都留支部長だった2月から3月にかけ、女性への恋愛感情を満たすため、都内の自宅や漫画喫茶から女性の携帯電話に、行動を監視していると思わせるような内容のメールなどを16回にわたって送信し、ストーカー行為をした。

 甲府地検によると、メールには「こんばんは!今何してる?」「もうお風呂入った?」などと書かれていた。

 女性の告訴を受けた山梨県警が5月に逮捕。最高裁は6月、「裁判官としての威信を著しく失う非行」として、国会の裁判官訴追委員会に罷免のための弾劾裁判にかけるよう請求した。

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